第11話 ドラマ『セクシー田中さん』の報告書

 ドラマ『セクシー田中さん』の報告書が、出揃いましたね。日本テレビ小学館、どちらも覗いてみたのですが、とにかく量が膨大で、途中から流し読みになってしまいました。なので、大きな事は言えないのですが、この際、それをぶっ飛ばして言わせて貰います。


 まずあきれたのは、日テレの報告書です。冒頭、本件は原作者の死亡原因の究明については目的としていないって、どういう意味なんでしょうか。だとしたら、何を目的にこんな長ったらしい報告書を作ったのか、教えて欲しいです。


 いや、斜め読みの私が言うのも何ですが、この報告書に書かれていたのは、大雑把に言えば、私たち日テレドラマ制作サイドは悪くない、面倒な漫画家先生相手に精一杯、ドラマを作っただけ。むしろよく頑張ったよね、私たち、ということですよね。ね、日本テレビさん。


 それにしても、ドラマ制作サイドの、原作者へのリスペクトがあまりにもなくて、驚きました。他人のふんどしで相撲を取っている、という自覚がゼロ。ゼロどころか、原作者のことを使用人くらいに思っている。それが報告書から伝わってしまっている。


 ふっちゃけ、日本テレビは、今回の問題で失った信頼を回復するために、そのためだけにこの報告書を作成したのでしょうが、信頼回復どころか、終わっているという事実を、一般につまびらかにしただけだと思いました。

 この報告書の公表を、よく会社の上層部が許したと思います。それとも、読んでないのかな。そうとしか思えない。


 小学館の報告書は、さすがに作者と直接関係がありますから、作者に対する懺悔があり、そこは日テレの報告書よりずっとマシだったのですが、この人達も、原作者を孤独にした点で、全く頼りにならず、きちんと仕事をしていたとは思えませんでした。


 どちらの報告書も、昨今の事情もあり、社員の方達は皆AだのBだのと、個人情報は伏せられいる中で(もちろん、個人情報が守られることには賛成です)、原作者は、顔も名前も出して、作品の質の責任も背負って、どんなに大変だったかと思います。

 ドラマの脚本に手を入れながら、漫画の連載も続けていたのだとしたら、身も心もボロボロになるのは、自明の理で、本当に苦しかったんだなぁと、改めて思いました。


 日テレの報告書にちょこちょこ載っていた、原作者から脚本家への変更点やら要望は、私が、「このドラマ、人の描かれ方が他のドラマと違う、深い」と感心したところばかりで、彼女が自分の命を削って頑張った部分は、間違いなく私には伝わっていたと、本人に伝えたいです。もうできないけど。


 結局、ドラマ制作サイドは、この素晴らしい作品の一番良いところを、大して理解してなかったのだろうし、彼女の孤独な戦いの過酷さに、本当の意味で、出版社は寄り添っていなかったのだな、と思います。


 セクシー田中さん、好きでした。最終回を待たずに、早く続編が見たいと思ってしまうくらい、大好きでした。でも、もうあの続きを見ることは出来なくなってしまいました。


 その事実に、改めて打ちのめされています。

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