第11話  翔子とプール!

 いよいよこの日が来た! 翔子とプールだ! 本命の翔子とのプール! だが、それは日曜日にせず土曜日にした。そして、千夏と陣内を交えた4人で行動した。勿論、千夏に気を遣ったからだ。千夏が僕と翔子に気を遣うようになっては困る。千夏には、ずっと翔子の良き友達でいてほしい。


 僕は、まず翔子とスライダーで滑った。当然、密着スライディングだ。やっぱり翔子は一味違う! 翔子とくっついていると、幸福感が大きすぎるのだ。だが、2回目のスライディングではキッチリ胸に触った。小学6年生らしい触り心地だった。それで充分、それが良かった。かわいい。これから、翔子の成長を見守ろうと思った。


 全員を平等に! という大義名分で、千夏の胸も触っておいた。千夏の胸は、1番ボリュームがあって、貴子よりも大きい。それはそれで触り心地が良かった。千夏も怒りはしなかった。


 陣内と4人、それはそれで楽しかったが、翔子の耳元で囁いた。


「明日の日曜、2人きりでもう一回来よう! 千夏と陣内には内緒で」


 翔子はOKしてくれた。これぞ、千夏を仲間はずれにせずに翔子と付き合う方法だと思ったのだ。翔子と千夏の友情を壊さずに翔子との仲を進展させるのだ。



 翌日の日曜、改めて翔子とプール。やっぱりスライダー。やっぱり翔子の胸が愛しい。白のビキニがよく似合っている。写真も、翔子が1番多くなったと思う。だが、ちゃっかり千夏の写真も撮っていた。


 翔子も昼食のサンドイッチを用意してくれた。幸せな時間を過ごした。そして、泳ぎながらイチャイチャした。僕は翔子を何度も抱き締めた。何度抱き締めても、もっと抱き締めたくなる。不思議だ。翔子も、最初は恥ずかしがっていたが次第に僕のノリに合わせてくれるようになった。要するに、翔子もずっと笑顔だったのだ。


 そして、プールから出ると、今度は僕の方から公園に誘った。ベンチに座る。


「もっと翔子を抱き締めたかった」

「え! そうなん?」

「僕は翔子のことが好きやから」

「そうなんや、ありがとう」

「でも、翔子と出会う前に告白されて」

「そうなん?」

「うん、今、3人と付き合ってる。同じA小学校の女の子達」

「え! 私は崔君の何なん?」

「恋人。っていうか嫁。僕は翔子と結婚するつもりやで」

「そうなん?」

「うん、だからその3人とはその内に別れる。僕が好きなのは翔子やから」

「信じてええの?」

「うん。別れるタイミングを待ってるねん。変な別れ方をしたら不味いやろ? 翔子とも中学校で一緒になるから」

「ああ、そうやね」

「キレイに別れたいねん。ちょっと卑怯かもしれへんけど」

「うん……」

「だから、待っててほしいねん。それで、これを受け取ってほしいんやけど」

「何?」


 僕が渡したのは小箱。


「何これ、あ、指輪や!」

「それ、左手の薬指につけてほしい。まあ、学校ではつけられへんかもしれへんけど」

「崔君とのデートの時につけるわ」

「それは、翔子が僕にとって特別な存在だという証明やと思ってくれ」

「うん、崔君を信じてみる」

「じゃあ、これも」

「え! また小箱? あ、今度はネックレスやんか」

「うん、特別なネックレス。翔子が僕のものやという証明」

「うわぁ、嬉しい。ありがとう」

「今は、これで僕を信じてほしい。3人のことは、今は気にしないでくれ」

「わかった。これからもよろしくね、崔君」

「翔子は、生涯僕1人を愛せる? 浮気しない?」

「浮気なんかせえへんよ、私、崔君のこと大好きやから」

「僕と結婚して、僕の子供を産んでくれる?」

「うん、幸せになろうね」

「大丈夫、大企業に入るから。その自信はあるねん」

「ほな、今日は婚約記念日やね」

「そうやで」



 そこで、僕は翔子を抱き寄せて、長い長いキスをした。翔子は嫌がらなかった。







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