第9話 沙織とプール!
次の日曜は、沙織とプールだった。沙織は黄色いビキニを着て元気に跳ね回っていた。沙織もかなりの美形だ。小柄で1番小学生っぽいが、小柄で顔が小さくスタイルも良い。後は胸の発育を待つだけだ。僕は沙織も気に入っていた。僕の好感度は、翔子、沙織、優香、貴子の順番だった。
ふと、思うこともあった。このまま沙織路線に切り替えようか? と。そこで思い直す、“いやいや、それではタイムスリップした意味が無い。本末転倒だ”。だが、大丈夫だ。翔子と会えば“やっぱり翔子が1番いい!”と思えるから。
「さて、まずは……」
「泳ぐやろ?」
「スライダーや。プールはスライダーに始まりスライダーに終わる」
「スライダー? ええなぁ」
「ほな、行こか」
僕は、優香にしたように、沙織を後ろから抱き締めながら滑った。優香とは体型が違う。当たり前だが、優香には優香の、沙織には沙織の抱き心地の良さがあった。
「もう、崔君、くっつき過ぎ!」
「嫌やないやろ?」
「嫌じゃ……ないけど……」
「ほな、もう1回! もう1回スライダー行くで!」
そして今度は、勿論、沙織の胸を触りながら滑った。沙織は、優香と比べてボリュームは無い。だが、それはそれでカワイイと思った。
「崔君、ずっと胸を触ってたやろ?」
「うん、触ってた」
「もう、Hやから困るわ」
「でも、嫌やないやろ?」
「嫌やないけど……3人で私が1番胸は小さいし」
「大丈夫! 沙織は充分魅力的やで。沙織はかわいいから自信を持った方がええで」
「そうなん?」
「そうやで、ほな泳ごか。浮き輪があるねん」
「1個やんか」
「この浮き輪を沙織が使うねん」
「うん、ほんで?」
「僕は沙織にしがみつくねん」
「またピッタリくっついてるやん! もう、しゃあないなぁ」
「嫌やないやろ?」
「嫌やないけど」
「ほな、ええやんか。くっつきたいねん」
「まあ……ええけど」
僕達はキャッキャキャッキャと騒いだ。
「崔君、くっつき過ぎ!」
「ほな、離れるわ。っていうか、何か食べようや。買ってくるから空いてるテーブルで待っててや」
「うん、わかった」
また輩が沙織を口説いているかと思ったが、今回は沙織は口説かれていなかった。
「良かった、沙織が無事やった」
「え! どういうこと?」
「先週、優香と来た時に、食い物買ってる間に優香がナンパされててトラブった」
「え! そんな話は聞いてないで」
「僕がいない間に、優香が中学生か高校生かわからんけど口説かれてた」
「ほんで、どうなったん?」
「なんとか、僕が撃退した。あの時は焦った」
「崔君、かっこええやんか、優香はそんな話をしてなかったけど」
「なんで話さへんかったんやろなぁ」
「最近、みんな崔君のカッコ良い話はせえへんねん。みんなライバルやろ? 崔君のカッコ良いところは自分だけの秘密にしておきたいねん。崔君のカッコ良い話をしたら、他の女の子の崔君に対する好感度も上がってしまうやんか」
「ふーん、そんなことになってるんや」
「でも、優香は口説かれたのに私は口説かれてない。これって、私に魅力が無いってことなんかなぁ?」
「違うやろ、絡まれる方が珍しいねん」
「それやったらええけど」
「とりあえず、おむすびと焼きそばと飲み物」
「わあ、美味しそう。ありがとうな」
「食べよ、食べよ」
プールから出ると、沙織は僕を公園に誘った。ベンチに座る。
「何? 何か話でもあるの?」
「崔君って、3人に対して平等やんか」
「うん、多分。不公平になって沙織達の仲が悪くなったら困るから」
「でも、私だけ特別になりたいねん」
「うーん、どうしたらええんやろう? ネックレスでもプレゼントしようかと思ったけど、沙織に買ったら他の2人にも買わないといけなくなるから、結局平等になっちゃうよね?」
「大丈夫! 他の2人には内緒にしとくから。崔君とのデートの時だけ身に着ける。それやったらええやろ?」
「あ、そういうことならええよ。次回、何かプレゼントするわ。それでいい?」
「うん、今はそれでいい」
沙織との次回のデートで、僕はネックレスをプレゼントするのだった。
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