第15話
「クリスティーナ様。まずは魔素が見えるようになったこと、おめでとうございます」
「ありがとうございます」クレア先生にも褒められちゃった。いやっほーい。
「それに関して、クリスティーナ様の二分の一聖哲式が一ヶ月後に早期実施されることとなりました。つまり、、」
つまり?
「本来ならあと一年はかかるところ、クリスティーナ様はあと一ヶ月で王家と面会しても恥をかかない程度まで美しい所作を身につけなければいけません」
え、それって・・・
「これまで以上に厳しく指導させていただきます。一ヶ月、気合を入れて頑張りましょう!」
・・・うっかり白目を向いたことは見逃してほしい。そして、もうちょっと延期するとかできないの?
「因みに〝魔素が見えるようになったと判明したものはその日から一ヶ月以内に二分の一聖哲式を行わなければいけない〟という決まりは我が国の法で定められているため絶対です」
私の淡い希望は打ち砕かれた。
「前回私が感じたクリスティーナ様の1番の課題は筋力です。ですので初めの三週間はとにかく筋トレをしましょう!」
筋トレ? 何ソレ?
私って仮にもお嬢様のはずじゃ、、
「運動しやすいように服も着替えましょう。マーヤさん」
「はい、こちらにお嬢様のサイズに合うお洋服をご用意いたしました」
マーヤからカジュアルなズボンとシャツが渡された。
「クリスティーナ様!スクワットする時にひざを前に出しすぎです!それじゃあ膝を痛めますよ!そして、もっとゆっくり、深ぁく!」足がぁああ、筋繊維が悲鳴をあげてるぅ。
「次は階段昇降トレーニングです」
「せ、先生、歩けませんっ」足に力が入らないんですぅ。
「では上体起こし100回、休憩はそれが終わったら!」
ひぇえええええ
「43、、、44、、、、46、、、、クリスティーナ様!ペースが落ちてます。これじゃあいつになっても〝今日のノルマ〟が終わりませんよ!」はぁはぁ、くっここで挫けてなるものかっ。わ、私には魔法の才能がァっゲホッゲホ。
「96、、、98、、、99、ラスト一回頑張って!」
「うおおおおおおお」
「100!!」
ゼェハァゼェハァ
「お疲れ様です。一旦休憩です。30分後に再開するのでその間に昼食を食べておいてください。」
「・・・・」
クソゥ、なんだってこんな目に!こんちくしょう!魔法なんてクソ喰らえダァッ!!
おえっ、運動したのに食欲ないよう。なんだか少し気持ち悪いし。
「クリスティーナ様」
「は、はひ」噛んだ
「少し酸欠状態になっていますか?筋トレ中しっかりとした呼吸ができていなかったようですね。休憩を1時間に延長するのでその間に万全の状態にしてください。」
「・・はいっ!」ぐすっ、クレア先生の優しさが心に染みる。先生、私のこと本当はちゃんと気にかけてくれているんですね!私も先生の期待に応えて見せます!
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