第20話 最後のお話
「起きて、おはよう」
「おはよう」
最近は
以前は6時になると自然と目が覚めていたけど、今は起こされないと起きれない。
そこでベッドから降りて、夕占さんに続いてリビングへと向かう。
「コーヒーだよ」
「ありがとう」
コーヒー多めで、砂糖や牛乳が入った紙パック入りのジュースをソファーに座って飲む。
少しでも起きている時間を増やすために、カフェインを起きてすぐに取ることとしたんだ。
「じゃあご飯食べよう」
「うん、分かった。そういえばべにはも最近眠そう?」
「そんなことないみたい。推しがマイクライベントに参加してるって、夜遅くまでYouTubeを見てるよ」
じゃあ私だけの問題なのだろうか?
べにはが昔と変わらない生活をしているのなら、自然とそうなる。
「今日の夕ご飯は何?」
「今日はカレーライスだよ」
「そうなの? うれしい」
あっまた眠くなってきた。
なんだろう、今は軽い眠気がありつつ起きているって感じが強い。
まるで寝ているのが当たり前で、起きているのが間違いって気がする。
「べにはとも仲良くしてね。べにはがいないと、私生きていけないから」
「分かっているよ。べにはも、もみじと同じだもの」
実は、私はべにはと同じ体を共有している。私が主人格で、べにはが副人格って感じだ。
私が起きているときはべにはが眠っていて、べにはが眠っているときに私が眠っている。
起きたり眠ったりしている関係なのだ、私たちは。そこで私はべにはがいないと、生きていけない。
「そうそう。だから私にとって、べにはが大切」
そう、べにはが世界一大切かもしれない。
私のかわりに生きてくれる、大事な存在だ。
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