真っ青なパレットに絶望を浮かべようか。

洗っても洗ってもどこまでも深く終わりのない色を。混ざりもせず、滲みもせず、ただ、形を歪める空みたいに。

 そうやって、走っても走って。振り返るとここに?あるいは、向こうに?何処でもいいからずっとそばにいて欲しいの。怯える心に従うようにゆっくりと付かず離れずに寄り添うように。君には漂っていて欲しい。


 絶望は寒い。ありったけかき集めた毛布に凍えた心を押し込んで包む、気休め。果てを知らないまま薪を燃やす。きっといつかは消えてしまうように見えるんでしょうけど、誰も知らない永遠の炎だから。私は燃え続けているのに、それでもぬくもりとはほぼ遠い。


 この世界で縮こまるあなた。常識に縛られてばっかりで。

 いつかこのパレットから抜け出して、私と一緒に走っていける?なんてこと、まだ聞けずにいる。

 あと数センチは空白のまま。遠く昔みたいな記憶が巻きついて指先を震わす。今日も無意味な「また」が繰り返される。

 真っ青なパレットに私を浮かべよう。どうでもいいからそばにいたい。幾度も形を変えながら、触れる指先が君と同じ色になるように。

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