大団円
俺達はセブ国へと入る
この国は人族とエルフ族で完全に領地を分けて住み始めた お互いに不可侵条約を結んでやっていくらしいが 人族のほとんどは国を出て 故郷に帰るなり他国へ移住したようだ
ここの封印も新たな賢人が着任しているが 封印していたモノは消えたそうだ
それでも 陣を描き結界を張っておく
一の国へ向かう途中 泉の妖精や泣き虫の竜の所へも立ち寄り ウィンディ キヨミ 草薙の剣を貸してくれたお礼を言い 一本杉の魔女にはユカリが丁寧にお礼を言っていた 「わたしの役目もやっと終わりだね」そう言うと魔女は幻のように消えていった
一の国に戻り 俺が転送された祭壇を見ると 粉々に崩れていた
今後の事をユカリ 巫女様に相談すると 九鬼島に国を興して永久にあの地を封印する事になった
封印というかあの黒い球が消えた場所を中心に神殿を建て そこに巫女様とヤヨイが詰めて見守りをしていく
農地を開拓し 産業を興し 国を発展させる
一平太も職を辞して移住してきて 山の中腹にある泉にはウィンディとキヨミもやってきた
驚いたのはダイナが女性で兄貴と結婚して移住してきた事だ
ルイーズとルイスの兄妹も家族で農業をする為に来てくれた
ルイーズにのぼせた一平太が絡むが 「自分より強い者にしか興味ない」とあっさり振られ
勝負を挑むが何度挑んでも敗れ 一年程俺の下で修行し ルイーズに勝ち結婚してしまった
ユカリの魔法と俺の拙い思い出で国はどんどん大きくなっていく
大陸を纏める主要国家になった頃 俺は病に臥せった
魔神を倒すときに神の力を借りた為 半神になった巫女様の治療でも どうにもならず ここまでの運命だったらしい
皆の幸せも見てきたし 自分の人生にも満足している
「ユカリ」ベッド脇にいたユカリを呼び
「どうしたのですか? 主様」俺の手を握りながら聞いて来る
「お前は 何時までも美しいな こんな俺に仕えてくれてありがとう」
手を握り返しながら言うと
「主様」一言いうと 涙を流しながら俯いた
セイが死んで 七日後に「禁忌の岩戸」にユカリは籠って それ以降姿を現さなかった
泥沼の底から浮き上がる感覚で目を覚ます 視点を合わせると白い天井が見えた
身体を起こし ボンヤリとこの状況を考えていると 誰かが部屋に入って来た
確か近所に住むマミちゃんだ 俺を見ると慌てて外に出て行った
(なんか 既視感)
数分後 女子高校生を連れ来た この女子高生は見たことある
誰だったけ?
「セイちゃん!! やっと 目を覚ましたのね」
俺に抱き着きながら耳元で
「主様 やっと会えました」
「エッ ユカリ?」俺が驚いて言うと
「今回は人として生きていますので 主様の子も産めますよ」
耳元で囁かれ 俺は赤面する 幼馴染のユカリは楽しそうだ
暫くして親父 お袋もやってきた
「前使徒ってのは親父の事だったのか?」そう聞くと
「ああ 一緒に旅した大魔導士がお前の母さんだ そしてお前も長い旅から帰って来たようだな 体調はどうだ? 巫女様にも会いたいか?」
「巫女様? まだ生きてるのか?」
「まあ お医者さんの許可を取って退院して詳しく話そう」
親父と話してる間もユカリはずっと手を握っている
医者からの許可を得て 退院の手続きをしていると
「結局 原因不明の昏睡だったけど 身体にも脳にも異常は無くて良かったよ」お医者さんが俺に言う
「お世話になりました」なんとなく後ろ暗い思いでお礼を言って 親父を見る
その夜 快気祝いの名目で家でユカリやマミちゃんも呼んで宴会が行われた
「実は 私 幼い頃に思い出していたんですが 玄おじさんにセイちゃんが大人になるまでは黙っているように言われてたの」ユカリが隣に座って俺に教えてくれる
桜の花は今はもう散って 葉桜になっていた
桜の花に埋もれていたのを見つけてくれたのがマミちゃんで 驚いて親父に知らせてくれたらしい
それで 親父も俺が異世界に行ったと考えて ユカリに連絡したそうだ
「それじゃ 巫女様に会いに行こうか」
「「エッ!!」」俺とユカリが同時に声を出す-
子供の頃から 絶対に入らせてくれない家の裏にある建物に親父に連れられて来た
幾重にも張ってある結界を親父が解いていく
重々しい扉を開けるとシロによりかかっている巫女様がいた
「「巫女様!!」」ユカリも知らなかったらしく俺と一緒に声を上げる
「お久しぶりですね セイ様 ユカリ」
「何億年も前にこの星で地殻変動が起こり九鬼島は日本に一の国から四の国はアメリカ大陸に シス黒からオクト国はヨーロッパ大陸になりました そして私は今でもここで封印を見守ってます」巫女様はここで自分の役割を長い時間続けていたのか
裏庭を見ると綺麗な泉の周りに色とりどりの花が咲き乱れ妖精が遊んでいる
泉の後ろにには 大きい生命の樹があった
遊んでいる妖精の中にウィンディがいて俺を見つけると物凄い勢いで飛んで来て
俺の首筋から 魔力を吸いとる 「あー やっぱりセイさんの魔力は格別ね」腹をさすりながら言うが 俺ってこの世界でも魔力持ってるの?
多分キヨミと思われる黒猫がユカリの膝に乗って喉を鳴らしている
思わぬ再会に呆然としていると
「また 何時の日かセイさんとユカリ達にお願いをする事があるかもしれません そうそう 一平太さんもルイーズも転生してきてますよ」
巫女様が薄く笑いながら言ってた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます