オクト国②
山の中腹まで辿り着くと 大きな湖があった
しかもこの水の色どこかで見た事が在る キヨミがいた紫の湖だ
という事は 探してみると毒蛙が数匹いた
しかも白仮面達が餌を投げ入れ まるで養殖しているみたいだ
湖の精霊は嵐で飛んできたと言ってたが 嵐に紛れてこいつらが運び込んだんだろう
やはり 巫女様の力が必要だなユカリ達に断って瞬間移動で巫女様の元に移動すると
血だらけで倒れるヤヨイ
巫女様に馬乗りになり刃物を振りかざす白仮面が目に入る
躊躇なく白仮面の脇腹に力任せの蹴りを入れる 手応えからアバラの3本ぐらい折れただろう 壁に叩きつけられ気を失ったみたいだ
「大丈夫ですか?巫女様!」
「ええ 私は大丈夫です それよりもヤヨイが・・・」
巫女様はヤヨイの側に駆け寄ると回復魔法を唱え始めた ヤヨイの身体が金色の光に包まれ 傷が塞がり顔色も良くなっていく
「私を守ろうとして・・・」
涙を浮かべながら魔法を掛け続ける
ハルとアルは裏口から逃がしたそうだ 壁に叩きつけられた白仮面は折れたあばら骨が肺にでも刺さったのか血を吐き始めた ほっといてもいいだろう
迂闊だった 奴らにとって一番の排除対象は巫女様だ 離れるべきでは無かった
せめて キヨミの分体だけでも残していれば と後悔する
キヨミの体調が戻ったところで毒蛙の話をする 祓うために一緒に来て欲しいと頼む
危険だからと置いて行った俺が言えた義理ではないがお願いすると
「湖の精霊との約束もありますからね」心よく了承してくれた
巫女様とヤヨイを連れて瞬間移動で湖に戻ると 白仮面共が増えていて一匹の毒カエルを檻に入れようとしていた またどこかに運び込むのだろう
白仮面を含めた範囲に「雷撃」を落とす 雷に打たれた白仮面も毒カエルもピクリとも動かず毒カエルは黒い靄になって消えていく それを巫女様とヤヨイが祓っていく
湖も紫から透明の美しい水に変わった 気を失った白仮面は放置
そこから また少し山を登り 城の建築現場を見渡せる場所に着いて様子を覗うと 男性陣はやせ細り薄汚れている 飯も碌に食わせてもらえず 身体を拭く事も出来ていない不衛生な環境なのだろう
ちらほらと白仮面がいて鞭を振るっていた 暫く様子を見ていると作業場の中央に攫われた人々が集められ何か始まるようだ
「ルイス 前に出ろ!! このノロマのせいで作業が遅れた 罰としてこいつの女房を殺す」白仮面が声高に宣言する
「ルイス?」ルイーズが身を乗り出し そのルイスという男を見る
ややあって「兄さん!!」と叫ぶ
「やっと見つけた」涙声になりながら呟く
中央の広場では 女が目隠しされ跪いている
「止めろー 責任は俺が取ればいいだろう」ルイスが訴えるが
「駄目だよ あんたがいなくなったら子供達はどうするんだい」女が叫ぶ
「それは・・・ だが母親の方が必要だろう だから俺を処分してくれ!!」
ルイスが涙声で叫ぶ
「うるさい!!これは 見せしめも兼ねているからな お前等もヘマをすれば自分の女房が死ぬんだ 覚えとけ!!」
高々と剣を持ちあげ 振り下ろそうとした瞬間 白仮面の頭が爆発した
「不愉快になりまして つい」
ユカリが申し訳なさそうに俺を見る
「ユカリがやらないなら 俺がやってたよ」言ってユカリの頭を撫でると顔を赤くして俯いた
中央広場は何が起こったのか分からず 騒然としている
「兄さーん!!」ルイーズが崖を滑り降りていく
俺達も遅れて滑り降りる
怒りのためか 手加減出来ずに次々と白仮面を倒していく ある程度倒したぐらいにルイーズがルイスに駆け寄る
ルイスは奥さんの目隠しを取り 後ろ手に縛られていた縄を解いて抱き合っていた
ルイーズが「兄さん!!」ルイスの顔を見ながら 涙声で呼びかける
「ルイーズか?」ハッとし驚きながらも彼女の顔を見つめ呟く
「ああ そうだよ兄さん ルイーズだよ 初めまして義姉さん」二人を交互に見ながらルイーズが話す
「何故 お前がこんな所に?」ルイスが聞くが
「終わってから ゆっくり話すよ」
そう言うとルイーズは乱戦の中に戻って行った
白仮面を制圧し 生きている白仮面をは数珠つなぎにして 村に連れて行く
村人を連れて帰ると 「「「パパー!! ママー!!」」」
両親を連れて行かれた村の子供達がそれぞれの父親 母親に縋りつく
「「パパァ ママァ」」 ハルとアルがルイスと奥さんに飛びつく
「エッ!!」ルイーズがびっくりして四人を見る
「ルイーズお姉ちゃんもお帰り!」アルが言うと
「何だ? 知り合いなのか?」ルイスが不思議そうにルイーズに聞くと
「こんな事ってあるものなのか?」呆れたように返す
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