ラミアとゴルゴーン
温泉入ってゆっくり休んで体調も万全だ
この国の封印は南の山にあるらしい 山里の人達の話によると山にはラミア族が暮らしていて里の人達とも良好な関係を築いているたしい 山頂目指して歩いて行くと 山道入口に大きな鳥居があり山自体が御神体だそうだ その先の山頂で封印がされている
山道をのんびり登って行くと 突然何かが俺達の目の前に現れた
上半身が人間の女性で下半身が蛇のラミアだ 胸が丸見えだ ちょっと恥ずかしい
俺達を睨みつけて「こっちへ来い」と言われ フラフラとラミアの前に出たのはルイーズとヤヨイだ 俺は胸を見ているのがバレたかと思った
「何故 お前たちは来ない?」ラミアは言うが どういう事だ?
「セイ様 二人は魅了にかかってしまったようですね」巫女様がルイーズとヤヨイを見て俺に囁く 俺が胸を見続けているとユカリに尻を刺される
「何故 お前たちは魅了が効かない?」尻尾をビタンビタンさせながらイラついて言うがルイーズとヤヨイ以外は状態異常無効を持ってるからじゃないかな?
「取り合えず 二人の魅了を解け!!抵抗するなら このまま剣でお前の胸を貫く」素早くラミアの眼前に立ち 剣をラミアの胸に当て言い放つ
「わ・・・分かりました」ラミアは二人の魅了を解き 我に返ったルイーズとヤヨイはポカンとしている
「おかしいですね ラミアは普段は大人しいですし 繁殖期しか魅了を使わないはずなのに」
巫女様の言葉にラミアが泣きながら
「人を連れて行かないと私の仲間が殺されるの でも里の人達を連れて行くわけにもいかなくて 旅人を待ってたの」
「どういう事だ?」剣を納めながら聞くと
「祠にゴルゴーンが現れて 仲間を石に変えられたんです」
「ゴルゴーン三姉妹の事か?」
「いえ 一体だけです それが突然現れて 仲間を次々に石に変えていき 生贄を持って来ないと 石に変えた仲間を壊すと言われて・・・ すいません 私達ラミアは食べても美味しくないそうで 人を連れて来いと脅されて」
俯きながら事情を話すラミア
「ゴルゴーンは見ると石に変えられると言うからな」
そういう事なら 俺一人がいいだろう
「巫女様達はここに残って待ってて下さい」
黒布で何重にも目隠しをして 祠へラミアに案内させる
目の見えない暗闇の戦闘修行もさせられてきたし 空気の動き 気配で相手の出方は分かるから問題は無いだろう 間違って石化したラミアを壊さないように注意する必要はあるが
ラミアに案内されて 祠に着くと ラミアはゴルゴーンを見ないように後ろ向きに入っているみたいだ
「おお 美味そうじゃないか」甲高い女の声が聞こえる 多分 真正面にいるな
案内したラミアはそそくさと祠を出て行ったようだ
「何故 石化しない? そうか 目を塞いでいるのか? 小癪な」
気配と空気の流れで攻撃をしかけてきたのが分かる
それを躱さず わざと攻撃を食らい 攻撃してきたものを手で掴む 手触りから頭から生えてる蛇の鱗だろうな グイッと手前に引き寄せ 草薙の剣で引き摺られてきたであろう頭のある個所に剣を叩き込む
「グギャー」耳障りな声と何かが落ちた音がする
気配を探ると後ろに回ったのが分かる 俺も後ろに飛び横薙ぎに剣を払う
手応えはあった まさか 後ろに飛んでくるとは思わなかったんだろう
短い悲鳴の後 さっきより大きな音がして何かが地面に落ちた
暫くすると石化が解けたのか動く気配や呼吸音がチラホラと聞こえ始めた
目隠しを取ると ラミアや賢人と思われる人が辺りを見回している
巫女様達の所へ戻り 退治した事を伝え一緒に祠へ向かう
改めて 巫女様に祓ってもらい 封印強化の為の舞と祝詞の奏上をしてもらう
ラミア達には感謝され 「知恵も武力もあるセイ様に是非」と繁殖をお願いされたがユカリが怖い顔で口調は丁寧に断ってくれた
賢人はいきなり封印の魔力が膨れ上がりゴルゴーンが現れ それを見た後の記憶は無いらしい
念の為 祠の前で祭祀を行い 山全体を鎮魂する
ラミア達が色とりどりの供物を捧げ お祭りを盛り上げる
何事かと 里の人達も集まり 更に賑やかになる ラミアの何人かは里の男衆と繁殖の為か 暗闇に消えていく
俺達を襲ったラミアは罪悪感からか こまごまと俺達の世話をしてくれる 特に魅惑にかかったルイーズとヤヨイには尽くしてくれている
ルイーズとヤヨイはもう事情も分かったし 怒ってないからとラミアに言うもラミア自身が気が済まないと食べ物や飲み物をすすめる
夜も更けてまだまだ祭りは続いているが 俺達はテントを祠の近くに張り休むことにした 笛や太鼓や歌声の中 眠りに就く
「」
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