山越え
少し動けるようになった賢人とタスク 巫女様で封印の強化を行う
ヤヨイは巫女様の舞と祝詞を脳裏に焼き付けようと一所懸命に見ている
タスクは親父さんの儀式を紙に書きつけている
「今回は私の出番は無しか~」ウィンディが懐から顔を出してため息交じりに呟く
ウィンディを見て
「セイさんは妖精を飼ってるのか」驚いてルイーズが声をだす
「別に飼われてる訳じゃないよ 好きだから一緒にいるだけだよ」
ウィンディの言葉にルイーズは呆れ ユカリはウィンディの羽をむしろうとする
ワイワイしているところに
「私もいますよ」キヨミが俺の肩に乗ってくる
「猫が喋ってる?」再度驚くルイーズ
「貴方は何者なんだ? 只の巫女様の従者じゃないんだろ?」
[いや 只の従者というか用心棒だよ]
俺が答えると
「主様は至高のお方です」ユカリが横から口を挟む
封印の強化が終わり タスクはここに残って親父さんに付いて修行をするらしい
「「本当にお世話になりました ありがとうございました」」親父さんとタスクに見送られながら祠を後にする
「なあ セイさん あたいももっと強くなりたいんだ お願いだから 一緒に旅をさせてもらえないか?」ルイーズが俯きながら言う
「ああ 危険な旅だけど それで構わないならいいよ」
「そうか 感謝する」また深々を頭を下げる おっぱいに目がいってユカリが怒るから頭を上げてほしい 同行のメンバーもユカリを除いて賛同している
「でも充分に強いのに まだ足りないのか?」ルイーズは強いと思う そこらの有象無象には負けないだろう
「タスクが危ない時に助けてやりたいんだ あれは全然弱いからな 特に今回みたいのが現れたら あたいでも無理だろう セイさんとユカリさんがいなかったら 親子三人あの場でやられていただろう もうあんな想いはしたくないんだ」悔しそうにルイーズが唇を噛む
「「「姉御ー行かないで下さい これから俺達どうすればいいんですか?一緒に連れて行って下さい」」」ルイーズの手下達が縋りつく
「お前等も そろそろ真っ当な道を歩け それにお前達を連れて行っても 足手まといにしかなんねえ 目的を果たしtらまたこの街に戻ってくるから それまで元気でな」
賑やかな別れを告げ 俺達は隣のシス国へ向かう
途中の宿場町は交易も盛んらしく道具屋で杵と臼を見つけたので買う
次元収納には何故か多額の金が入っており 金には困らない
宿屋に入り台所を借りて餅米を水につけておく
夕餉の後に餅米を炊いて ユカリに手伝ってもらい餅をつく
「これは 何ですか? また美味しい物ですか?」臼の中の餅を返しながら聞いてくる
「楽しみにしてるといいよ」杵で餅を突きながら俺は答える
良い具合いなったので餅と道具を次元収納に入れる
シス国に行くには山を一つ越えないといけない 山越えの準備もして つづら折りの山道を登り山頂に着く やはり若干涼しいというか肌寒い
空き地に焚火をおこし 宿屋に作ってもらった弁当をつかう
食後に鍋を火にかけ 中に水と餡子を入れ温まった所に 餅を手で千切って放り込んみ 善哉を配り暖をとると
「本当にセイさんの作る物は なんでも美味いなー」ルイーズがハフハフしながら褒めてくれる ユカリはその通りと頷く
皆が善哉を食べている間に晩飯の仕込みをしておく
仕込みと言っても大豆を水に漬けて次元収納に入れておくだけだ
陽も暮れる頃 予定の宿場町に着いた 山越えで疲れているだろうから 女性陣には先に風呂に行ってもらう その間厨房にお邪魔し 着けておいた大豆を風魔法で潰し
形を整え 鳥の唐揚げと一緒に揚げていく
柑橘系の果物も採取していたので それも横に添えておく
宿屋の夕飯と一緒に出して
「巫女様 ヤヨイ これは鳥じゃなくて大豆の唐揚げだから 食べても大丈夫だよ」
「「ありがとうございます」」
巫女様 ヤヨイが喜んで食べる 俺 ルイーズ ユカリ キヨミは鳥肉の唐揚げを食う ウィンディはどちらを食べようか迷っていた
皆 風呂上がりに結構な量のシャーベットを食べていたが 別腹なのか?
朝早くに出れば その日の内に王都に着けると聞いたので 早朝に旅立った
平野を長々と歩くだけなので 魔物ぐらい出てくれないと退屈だ 女性陣も昨日みたいな疲れも無いだろう
午後を少し回った頃に王都の門に着くが 巫女様のお陰で特に止められる事も無く
すんなり王都に入れた
賑わってる街を田舎者丸出しでキョロキョロしながら歩いていると 人だかりが見えた 興味本位に覗いて見ると 男が一人老い若いを問わず女性から嬌声を浴びている
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