哀しみのしずむ霧の湖から泳ぎ出て、少女の体を得た魔物の腕。少女は歌う。わたしはここに、そこかしこに、と。歌う少女の現れた場所では人々は倒れ、その地は水に沈んでゆく。白と黒のピエロの大臣に仕えられる子供の王様は、救いの天使を呼び出し。仕事をうばわれた死神は、子供たちを拾いながら、どこへと向かうのか。哀しみの白と、死の黒と、モノトーンで描かれた、滅びの童話。
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