三通目 製氷機
世界のどこかにあるレストランの氷は一級品だ。パリッと冷たくみずみずしい。ただの氷ではあるが明らかに他の氷とは違う。口に含めば清流の源水を飲んでいるようだし、噛めば古代に出来た氷山を砕いているような味わい深さがある。酒に入れてかき混ぜる音さえ心地よい。
しかしあまりにも美味すぎるせいか、あそこのレストラン、製氷機に人間を入れている。しばらく待って開けるとその氷とともに干からびた死体が出てくる、などと妄言を吐く者まで現れた。真に受ける者など一人としていなかったが、周辺地域でやたらと行方不明者が多かったのは事実であるらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます