パルス環状線
「ありがとうございます、ロザリオさん。受付のあなたが来ても、良かったのですか?」
ロザリオが操縦する
「実験がある日は封鎖となるので、受付業務はないんです。久し振りにドロシーちゃんたちに会えると思って、お迎えを買って出ました」
「ありがとう、ロザリオさん」
ホビーの問いに答えるロザリオに向けて、ドロシーが興奮気味にお礼を言った。続けてトトも「ありがとー」と元気に言った。
ハリウッド街、ローマ街、ロンドン街、
「今回は成功するかな」
ドロシーのつぶやきに、ロザリオがバックミラー越しに声をかけた。
「
「ほとんど家に居ないのに失敗したら許さないわ」
ドロシーが頬を膨らませた。
「過去に
ホビーが素朴な疑問を口にした。
「タイムトラベルの時空をトンネルとするなら、その先に扉がないといけないらしいです。要はタイムトラベルが存在する時代しか行き来ができない。だから私たちにとっては未来しかないんですよ」
「ホビー。過去に行けたら、とっくに
ドロシーは憤慨したように、シートに音を立ててもたれた。
「ドロシーちゃんも
ロザリオがオーバー気味のリアクションで明るい声を上げた。
「地球期の愚かしい記憶。ですよね。5年も続いた世界戦争。それも
「す、凄いじゃないドロシーちゃん」
「もう着きますよドロシー」
苦笑いを浮かべたロザリオにホビーは肩をすくめると、前方を指さしてドロシーの気をひいた。
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