カラメルりんごのケーキ
さあ皆様。ハッピーバレンタイン。
今日はスイーツ作りをする。だって誰もくれないし。
「何があるかねぇ」
お勝手に行くと、りんごが1つ。いつ買ったっけ。……匂いよし。切って変色とかなければいけるだろ。
りんごか……パイは生地がないし、ケーキでも作るか。焼きりんごではい終わり、ってするにはちょっとぼけすぎかも。
ボウルと22cmのフライパンを出したら常備しているホットケーキミックス150g、牛乳100ml、卵を1つ用意。この三つをボウルで混ぜる。泡だて器なんてシャレオツなものはないからフォークで代用。
「ホトミって甘いんだよなぁ……」
お菓子作りを始めておいてなんだけど、俺は甘いものが苦手。砂糖とホトミを混ぜたりするのは無理。お勝手にあった材料をざっと確認。
さあどうする。生地に混ざるのは七味が良いか、ほうじ茶が良いか。コショウもありか。
ちょっと考えて、今日はほうじ茶をチョイス。後で使うつもりのはちみつとの相性も良いし。はちみつほうじ茶って美味いよね。
生地にほうじ茶を大さじ1投入。もう少し入れた方が良いかもしれないけど、勿体ない気がしちゃうからここでセーブ。
「風味で良いでしょ、風味」
生地を混ぜ終わったらりんごから種を取って薄くスライス。皮は剥かない。面倒だし。ほら、彩りにもなるでしょ。
りんごを切り終えたら中火で加熱したフライパンにバターを30g。と思ったけど勿体ないから20g。多分普通なら30gくらいがちょうど良いとは思うけどね。
バターが溶けてきたら薄く広げて、はちみつどーん。某イタリアンレストランのテーブルに置いてあるサイズのスプーンで3杯。ティースプーンじゃねぇぞ。はちみつの代わりに砂糖大さじ3でも良いと思う。俺ははちみつのが風味が好き。焦がしはちみつって良いよね。
バターとはちみつを軽く混ぜて、ふつふつしてくるのを待つ。砂糖なら白くなってくるくらいかな。そうなったら火を止める。それでうまいことりんごを並べる。俺は円形にして、中心に余ったスライスりんごを千切って置いた。
「良い感じじゃん」
歪だけど円形になった。後はもう触らん。崩す自信しかない。
並べたりんごの上から生地をどろっと流しかける。薄く広げて載せたらちょうど良いくらいだから、どかんと1か所に集中させないようにだけ注意。一部ケーキ生地なしにならんように。
上手く載せたら蓋をして。弱火で15分から20分。タイマーかけて、洗い物。良い匂いを感じながら洗い物を終えたら、お勝手で勉強。大学生、資格勉強もしないとね。
「知的財産権!」
とかなんとか言って歩き回りながら寒さを紛らわせる。寒いって、2月。都会の寒さは実家よりマシだけど、寒いもんは寒いって。
匂いの変化に注意しながら15分。蓋を開けて菜箸を差してみるとくっついてこない。火の通りは大丈夫そうだ。
フライパンにお皿をひっくり返して被せたら、ぐるりんとひっくり返してフライパンを上に。そのままじゃ落ちてこないから、フライパンとお皿を吹き飛ばさないように抑えて水平にぶんっ。はい、落ちたー。
フライパンを外したらりんごとはちみつの優しい甘みのある匂い。良い感じの焼き目。成功じゃね?
1人で食べるには多すぎたそれを4等分に切り分けて、1片は今食べる。あとの3つは夕食、明日の朝ご飯、昼ご飯。
……明日はもうバレンタインじゃないけどね。
フォークで食べてみる。うん、美味い。
生地のほうじ茶のおかげで甘みだけのもったりした感じもないし、りんごとはちみつ本来の甘みが優しい。俺としては合格点。
もっと甘い方が良いならはちみつを追い掛けしたり、りんごのジャムを塗っても良いかも。甘みが強すぎたなら、七味かコショウを試してみたら良いかも。刺激で甘みが緩和されるはず。
ま、何はともあれ。ハッピーバレンタイン……ぼっち!
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