第33話 イリスとプール

 私、エリム


 今日も授業が終わり、家に帰ってきた


「イリス、ただいま」


 家に帰ってきて自宅で待機しているイリスに向かって挨拶する。


 が、イリスは何かを見ながらじっとしている。

意外とイリスはこうなったら固まりやすくなってしまう一面があったりする。


「イリス?」


 気になった私はイリスに話しかけてみる。


「…」


 イリスは固まったままだ。


「イ〜リ〜ス〜」


 私はイリスを揺らした。

これなら何かしらの反応はしてくれるだろう。


「はっ!?ご主人様!?もうお帰りになられていたのですか!?」


 イリスはかなり焦っている。


「うん…ってか何見てたの?そんなに夢中になってて…」


 イリスは私にチラシを見せてきた。


「これは…プールの広告?」


 最近できたプールの広告のチラシだった。

どうやらイリスはこのプールに興味があるらしい。


「イリス…泳げる?」


「はい」


 イリスに泳げれるかどうかを確認した。


「じゃあさ!次に休み、一緒にこのプールに行こうよ。泳ぐのきっと楽しいと思うよ」


 私もこのプールは学園内でちまちまと噂になっていたので是非。行ってみたいとは思っていた。


 なので、イリスと一緒にこのプールに行ってみないか誘ってみる。


「ご主人様…!では、次の休日を楽しみにしています。水着、用意しておきますね」


「オッケー」


 イリスの水着姿は何気に見たことがなかったのでせっかくなのでプールでイリスの水着を堪能するとしよう。


 絶対可愛いはずだ。


 で、休日になった。


「ご主人様…いかがでしょうか?」


 イリスがプールで水着姿を披露してくれた。


「うん…すっごく可愛い!きまってるね…」


 あまりにイリスが可愛く、水着姿が似合っていたので思わずいつもより高い声が出てしまった。


「ありがとうございます…」


 イリスは照れながらお礼を言う。

お礼言うだけでもイリスは可愛い。


「ってか、ここのプール広いね」


「をうですね」


 ここのプール、想像以上に広い。

数多くの種類のプールがあり、どれから入っても楽しそうだ。


「じゃあ早速、準備運動からしていって…」


「そうですね」


 私とイリスはプールに入る前に準備運動を済ませた。


「これで良しっと!さぁ…入ろうっ!」


「はい」


 私とイリスはとりあえずどんな泳ぎもできそうなぐらい大きなプールに入った。


「おぉ。広い…」


 水の中で手を広げながらプールの水を浴びていた。


「ご主人様、泳ぎますので見ていてください」


「見るね」


 イリスがどうやら泳ぐらしい。

どんな泳ぐをするのか見てみたいのでイリスの方を向き、泳ぎを観察することにした。


「っ!」


 イリスは高速で泳ぎ始めた。


「イリス凄!?」


 前に見たシャロリアの泳ぎも速かったが、イリスもかなり速い。

プールに来ていた人が全員、イリスを見ている。


「...どうでしたでしょうか?ご主人様...」


 私の方に戻ってきたイリスは泳ぎを見てどうだったかの感想を私に聞いてくる。


「凄い速かったね!?見惚れちゃうぐらいだったよ...」


 イリスは純粋に私の感想聞きたいみたいだったので素直に私が見た感想を述べた。


「ありがとうございます...ご主人様にそう言ってもらえるなんて光栄です...」


 イリスは嬉しそうに私の方に寄ってきた。


「イリス!?」


 イリスが私の方に寄ってきたからか、プールに来ている人が全員、私たちの方を見てきた。

かなり寄ってきているので側から見ればカップルに見られているかもしれない。


「あのー...これじゃあ私たち...」


「カップル...とかに見られているのでしょうか?」


 まさかの先に言われた。

イリスも同じことを考えていたのだろうか?


「ま、まぁとりあえず別のとこに行こう?」


 このままじゃ目立ってしまうので話を逸らす。


「そうですね」


 次、私とイリスはウォータースライダーに乗ることにした。

これは浮き輪に乗り、流れるプールを滑るアトラクションみたいだ。


「この浮き輪、2人で使えるし2人で乗ろっか」


「そうですね。2人で乗りましょう」


 私とイリスは浮き輪に乗っかり、スタート地点に立った。


「はい。じゃあ滑りますよ」


 案内の人が合図をしたら、水が流れて滑り始めた。


「おぉっ!スピードある!」


「そうですねっ...」


 私とイリスは流れるプールの水を浮き輪を通して体感していた。


「ご主人様!」


 滑りながらイリスは少し大きい声で私に話しかけてきた。


「何〜?」


 聞こえたので気になった私はイリスに聞いてみた。


「私、今日とても楽しいです!」


 イリスは先程よりも大きな声になった。


「私もー!」


 私はそれよりも大きな声を出した。


 そして


「きゃっ」


 ゴールに辿り着いた。


 そして


「あ〜楽しかった!やっぱりプールは楽しいね」


 プールから上がり、ベンチに座りながらイリスと今日の話を振り返った。


「そうですね。私もご主人様とプール、楽しかったです」


 イリスもベンチに座りながら私と話していた。


「またさ...遊びに行けたら良いね」


「そうですね。ご主人様ともっと色々なところに行きたいです」


「だね〜」


 ベンチからプールの全体の景色を見ながらイリスと共に語り合うのだった。

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