第34話 ベルリスと子供たち
私、エリム
今日も授業が終わり下校していた。
そこである光景を見た。
「いっけー!」
「くっ、殺せ!」
女騎士のベルリスが街の子供たちと一緒にカードゲームで遊んでいた。
「またやってる…」
ベルリスが子供たちとカードゲームで遊んでる光景は何度も下校中に見たことがあるので今更驚かない。
「エリム!」
見つかった。
別にベルリスだから良いけど。
「どうしたの?ベルリス」
「丁度今、一緒にカードゲームをしていたところだ」
「そうなんだ」
知ってるけどあえて知らないフリをする。
「エリムも見て行くか?見るだけでも気持ちが熱くなってくるぞ」
ベルリスからカードゲームの鑑賞を誘われた。
「じゃあ見てくね」
楽しむベルリスは面白いし、可愛いのでちょっと見てたいので話に乗る。
「決まりだ」
で、ベルリスと子供たちがカードゲームを楽しむ姿を見る。
どちらとも楽しそうだ。
「ベルリスお姉ちゃんありがと〜」
「気を付けて帰るんだぞ」
その後、家に帰る子供たちをしっかりと見送る。
騎士としての役目はそういったところではしっかり果たしている。
「ベルリス、楽しそうだったね」
「あぁ。皆と遊んでいると心が安らぐ。また明日も頑張る気に繋がるのだ」
ベルリスは皆とただ単に遊ぶのを楽しんでいる。
こちらから見てもすぐに分かるぐらいに。
「しかしいつも遊んでくれているのだ...何か礼もどこかでしたい...」
どうやらベルリスは子供たちに日頃のお礼がしたいみたいだ。
ベルリスは子供たちにいつも楽しく遊んでもらっているので自分も何か恩返しがしたくなったのだろう。
私は何かないだろうか?
子供たちが好きそうなことを考えていたらあることが思い浮かんだ。
「それならさ?パーティーとかはどう?子供たちはパーティーとか好きそうだけど...皆でわーっ!と楽しめるやつ!」
そう。パーティーだ。
これなら皆で楽しめれるし子供たちも喜んでくれるかもしれない。
「それだ!それをするぞ!」
ベルリスはすぐに賛同してくれた。
「じゃあ決まり〜」
話の流れが順調に進んでいってる。
「場所はどうする?ベルリス的には良いところ知ってる?」
最初にパーティーの開催場所を何処にするかを決めよう。
ベルリスは何処か開催場所に相応しい場所を知っているだろうか?
「...思い浮かばない」
ベルリス的には思い浮かばなかったみたいだ。
何処が良いだろうか?
私たち2人は思い浮かぶ場所を考えていた。
「あら?どうかしましたか?」
そこで偶然、シャロリアが通りかかった。
「シャロリア!丁度良いところに!」
もしかしたらシャロリアは色々なパーティーに参加してそうなので何か知ってるかもしれない。
「どうかしたのですか?」
「実はね?かくかくしかじかで」
ベルリスのパーティーの件をシャロリアに話した。
「分かりました...それなら良い場所がありますよ。多分、使えると思います」
シャロリアは思い当たる場所を知ってるらしい。
しかも、多分とは言われたが使えそう。
「良かった!」
「ついて来てください」
「あぁ。感謝する」
私とベルリスはシャロリアについて行った。
「ここって...」
シャロリアが案内してくれた場所はまさかのお屋敷だった。
「はい。3軒目の家です。ここ、使って良いとの話を以前、頂きましたので大丈夫かと思いますよ」
そういえばシャロリアは初めて会った日に4軒目の家がどうのこうの言ってたので辻褄が合う。
「凄いな!?」
ベルリスもかなり驚いている。
分かる。
「はい。使って大丈夫とのことです」
シャロリアが別の部屋に入り、誰かと話してきて戻ってきたところ、このシャロリアの3軒目の家はパーティーの会場に使っても大丈夫との話が出た。
「よし、ではここを使おう!」
そして、パーティー会場が決まった。
数日後
「ベルリスお姉ちゃん、どこ行くの?」
「あぁ。すぐにつく」
ベルリスは子供たちをパーティー会場にまで案内していた。
ちなみに、何をするかはまだ子供たちには伝えてなく、サプライズの形でパーティーを始めるらしい。
「ここだ!」
「何このお屋敷!?」
子供たちは全員、お屋敷に驚いていた。
「いつも私と一緒に遊んでくれる礼だ。ここで楽しいパーティーをするぞ!」
ここでベルリスはネタバラシをした。
子供たちは喜んでくれるだろうか?
「凄い...ありがとう!ベルリスお姉ちゃんっ!遊ぼ!」
その後、ベルリスと子供たちはカードゲームで遊んだり、お菓子を食べたりしてパーティーを楽しんだ。
「またねっ!ベルリスお姉ちゃん!」
「またな」
遊んだ後、子供たちは家に帰りベルリスは見送った。
「どうだった?ベルリス」
私はここでベルリスの前に現れた。
「あぁ...皆喜んでくれていた。私も楽しかった」
ベルリスは話し方的に今日はとても楽しかったことが伝わってきた。
「それは良かったよ」
「で...これ、お菓子なのだが...」
ベルリスは何故かここでお菓子を出してきた。
「このお菓子は?」
「取っておいたお菓子だ。エリム、私たちで今から2人のパーティーをしないか?」
まさかのベルリスはお菓子を子供たちの分に加えて私と一緒に食べる分のお菓子も用意してくれていた。
「食べたい!じゃ、今から私たちのパーティーを始めよっか」
「あぁ!」
こうして私とベルリスのパーティーが始まったのだった。
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