第8話:イースア村姉妹の母

俺たちは、ようやく村にたどり着くことができた。この村は、家がすべて木製となっていて、ほぼすべて木の上に建っている。そして、木の柵に囲われていた。


アリス「やっと、着きましたよ…。早く、お母さんに謝りますよ。分かりましたね?ミ・リ・ス?」


ミリス「うん、わかってるよ。早く行こうよ。お姉ちゃん!」


アリス「お姉ちゃん?何で、ミリスはセシラールちゃんの方を向いているの?」


ミリス「このお姉ちゃんは、多分年上でしょ?だからね、「お姉ちゃん」と呼ぶようにしてるの。アリスお姉ちゃんは、「アリスお姉ちゃん」と呼ぶようにしてるの。」


アリス「そうだったのね。でも、年上とは限らないわよ。フフッ。さて、入りましょうか。」


ガチャ


アリス「ただいま、お母さん!ミリスと一緒に帰ってきたよ。それと、転生者も連れてきたよ。あと、遅れてごめん!」


お母さん(マリア)「あら?ミリスとアリス遅いじゃない。大丈夫だったの?私のために何か探していたの?」


俺が木を登って、完全に家の中に入ると、ベットで寝ていた姉妹の母?がいた。


俺「え~と、この女性がミリスちゃんたちのお母さん?何か病気なの?」


アリス「ううん。お母さんは、…数年前に鉱山に潜った時に、 仲間が仕掛けた爆弾のための退避指示が聴こえるのが遅くて間に合わなくて、両足を失ってしまってるんだ。」


アリスさんは、悲しそうにつぶやいた。お母さんは、もう一生、動くことができないかもしれないんだ。そりゃ、悲しい気持ちになるな。少し励ましてあげようかな?


俺「大丈夫?元気出して!ほら!」


アリス「ありがとう、セシラールちゃん。…それと、セシラールちゃんって長いから、セシラちゃんと呼んでいい?」


俺「あ、もちろんいいですよ~。ミリスちゃんもセシラお姉ちゃんって呼びます?」


ミリス「うん!よろしくね、セシラお姉ちゃん!」


お母さん(マリア)「セシラちゃんね。娘とこれからも仲良くしてやってね。アリスとミリスは、自己紹介した?私は、していないから、ベットから失礼するわ。私の名前は、マリア・イースア・ユグラシア。この家の家主ね。よろしくね。」


アリス「お母さんに一番目に自己紹介するの取られた…。まあ、いいか。それじゃあ、私!私の名前は、アリス・イースア・ユグラシアです。長女で、年齢は40歳!得意なことは、【水魔法】と【風魔法】かな?よろしくね!」


ミリス「次、私?私の名前は、ミリス・イースア・ユグラシアです。24歳です。得意なのは、【探索】?です。よろしくお願いします。」


全員、イースア・ユグラシアが付いているな。なんでだろう?後で聞いてみるか…。先に自己紹介だ。


俺「最後に私ですね。私の名前は、セシラール・セイクリッドです。転生者です。年齢は、17歳です。よろしくお願いします。」


これで、全員の自己紹介は終わった。質問したい人が質問をする時間になるだろう…。


ミリス「あれっ?セシラお姉ちゃん年下だったの~?てっきり、私より背が高いから、年上だと思ってたよ。」


アリス「…。ミリスは、知らないかもしれないけど、エルフって人間より長命なのよ。大体2倍くらい長く生きるよ。まぁ、だからエルフ基準だとセシラちゃんは、34歳ね。」


ミリス「え~、そうだったの?34歳ってことは、やっぱりお姉ちゃんだ!セシラお姉ちゃんはお姉ちゃん呼びでいいの?」


俺「まあ、呼びたければ…どうぞ。それと、皆さんってイースア・ユグラシアと全員付いてますけど、どうしてですか?」


お母さん(マリア)「それは、私が説明するわ。イースアは、この村の名前ってことは知ってるかな?それで、ユグラシアは、国の名前ってことも知ってるね?」


俺「はい、…もしかして、ユグラシア王国のイースア村長所属だからその名前なんですか?」


お母さん(マリア)「ほぼ正解!でも正確には、少し違うのよ。その名乗り方は、苗字がない人が名乗るのよ。苗字がある人は、名前・苗字って感じで名乗るわよ。コレでわかった?」


俺「はい、十分分かりました。そういえば、晩御飯っていつできますか?」


アリス「あ~、それはないわよ。祝福で全員に栄養分が分け与えられてるからね。食事は不必要!」


俺「え、そうなんですか?いや、戦闘不可だから、殺すことは無理なんですね。」


アリス「でも、例外的に女神パナケイア様に祈りを捧げれば、動物を殺すことや植物を採取するのは、可能だよ。ちゃんとした目的がないとパナケイア様に承諾されないけどね。」


俺「了解です。え~と、後は寝るだけってことですか?」


アリス「そういうことだね。ベットを用意しないといけないから、少し待ってね。お母さん、お父さんのベットって出せる?」


何やら、ベットを用意しないといけない感じかな?アリスさんたちのお父さんいないと思ってたけど、もしかして死んでいる?それか、離婚かな?恐らく前者かもしれない。離婚なら、妻にベットを渡さないだろ…。そういえば何故お母さんに出すよう頼んでいるんだ?


お母さん(マリア)「はい、どうぞ!」


何もない空間からベットが出てきた。お母さんは、【空間魔法】を使えたのだ。


俺「えっ、どこから?どうやって出したんですか?もしかして、【空間魔法】ですか?」


お母さん(マリア)「うん、当たりよ。よく分かったね。それじゃあ、もう寝るかい?」


俺「はい、そうします。おやすみなさい。」


俺は、アリスとミリスに向かってそう言うとベットに入り、そのまま眠りについた。


――――――――――――――――――――

〈あとがき〉

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