48.入院六日目
いやー、ドラマに次ぐドラマ。
さすがに特盛すぎて、要素多すぎます少し削りましょうかってそろそろ言われたりしませんかねこれ。
なんだか落ち込んでる隙もなくなってきました。
退院予定通りにできるかなぁ。
同室の今宮さん(仮)が、コンビニ行くから買い物ありますかって聞いて下さいました。
なんでそんな優しいのみんな。
すみません、頭痛にきくらしいのでカフェオレをお願いしました。
ストローでちゅーちゅーするやつ。
「元気になったら食べて下さい」ってチョコブラウニーもくれた。えーん。人の優しさにすぐ泣いてしまう。すんすん。
少し離れた場所に住む友人から、満開の桜の花の写真が送られてきました。
東京は私の入院初日が満開予定日で、出る頃には散っているだろうから咲き誇るような花を見ることはないと思っていたけれど。
泣いてる場合じゃないです。
ちゃんと元気になって、ちゃんと体力つけて、たくさんたくさん遊びに行かなきゃ。
例えば、髪とか、例えば、爪とか、例えば、肌とか。そういうどうしようもないけれど丁寧に磨こうとしてきたものたちが限界まで破壊されて今1番蔑ろにされてるの、自分を大事にすることの意味を考えさせられる。
外見で商売をしている人間ではないので、これからの人生も、そんなことで私の人間としての価値は多分変わらない。
ただ、大切にしてきた宝物が壊れていくのを見ていることしかできない自分の無力さに打ちのめされている。
価値観が変わることはないけど、ただ肌だとか髪だとか、他人からしたらどうでもいいものを大切にしていた気持ちだけは、忘れずに持ってたいなって思うようになった。
宝物のありかは、とりあえず私だけが知ってればいいと。胸を張って言いたい。
本当に大切にしていたことが何かを、覚えておきたいと強く思った。
肝臓の件、明日の採血で詳しくわかると思うけど、最悪入院延長が示唆された。
さすがにそうなったら、もう一回泣くと思う。
めそめそしてるわりには、よく頑張っている方だと思う。
けれど少しくらいは、泣いてもいいと思う。
できたらおうちに帰りたいな。
先のことを色々と楽しく思える夜だった。
まだ病理検査の結果も知らない。
先のことなんて、本当は少しも考えられていない。
でも、少しくらい夢をみていてもいいと思う。
まだ告知もないコラボカフェに思い馳せたり、映画に行きたいと思ったり、ゲームがしたいと思ったり、何もしないをしようと思ったり。
来年は、桜を見に行けたらいいと思う。
それくらいのことを、夢見てもいいと思いたい。
(続)
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