怪夢
町で殺人事件があったらしい。車から聞こえてくるラジオがそんなことを言った。買いもののため、僕は父が運転する車の助手席にいる。ラジオによると本日未明に道端に体が半分なくなった亡骸が落ちていたと言う。警察も捜査は難航しているようだ。もはや熊の類いの仕業に思えたがこの街の近辺に熊の生息地はない。やはり猟奇殺人と言うやつだろうか。その時友達のさとるからメールがきた。
『あのニュースお前だろ?』
『何を根拠にそんなこと』
なんてやつだあまりにもひどいことを言う。親友を殺人鬼というか。なぜそんなことを聞いたか問いただす他あるまい。
『何でそんなことを?』
『見たんだよ』
『見たって何を?』
『お前んちのガレージに8本足の怪物が入ってくのを』
『え?冗談だろ?てか第一それなら俺は被害者だろ』
『けど今生きてる。ってことはその怪物のことなにかを知ってると思うくない?』
『確かにそうだが僕はなにも知らないしなにも見てない。お前の見間違いだろ。てか見間違いであってほしい』
は?怪物がうちのガレージに?いやいや僕が出発するときそんなやついなかったし冗談だろ。あまりにも荒唐無稽な話に飽きれケータイを閉じ、ふとサイドミラーを見た。
「え」
後ろから8本足の怪物が追ってきているではないか。え、うそうそまじだったの?
「親父まじ逃げて!なんか来てる!後ろ!」
「アイツは何なんだ!?」
「多分さっきラジオで言ってた殺人鬼」
「怪物っぽいなとは思ったがここまでとはな」
アクセルべた踏み全速力で逃げる車。しかし距離が離せない。と、気付いたら細い路地に入ってしまいスピードが出せなくなってしまった。このままじゃ追い付かれる。と思った瞬間辺りが湖のきれいな公園へと変わった。
「え?何だここ」
足元を見やると体の半分がなくなった人だったものが落ちていた。血の気が引く。
「僕が、やったのか?」
そして僕は目を覚ます。
「夢か」
あの怪物はきっと過去の自分の過ちだ。過ちが殺人として夢の中で現れ罪悪感が夢の中で怪物として形成されたのだろう。今日の僕はこうならないように生きようと思うなどした。
我夢 RE-N @aiharaion
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。我夢の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます