第33話
「……どうして、付き合ってるの?」
一週間以上前の私は、その問いに答えられなかった。
けれど。
今ここで、一人でつぶやいてみたところで、結果は変わらない。
風邪で寝込んでいたのは、事実だ。
けど、彼を避けていたのも、また事実だ。
ずっとツインが何を考えているかわからなかった。
だからどう接すればいいかわからなかった。
だけど。
本当に何を考えているかわからないのは、私の方だった。
どうして付き合っているのか、どうしてツインなのか。
考えるほど答えは遠のいて、自分が嫌いになっていった。
きっと無口で反応が薄い私に、ツインはずっと困っていたんだろう。
だからいつもあんな調子でからかってきて、私の顔色をうががっていたんだ。
なのに私は、それさえも拒んだ。
どうして、気づけなかったんだろう。
悪いのは私だった。
ツインはずっと私を知ろうとしてくれていたのに、私はツインを知ろうとしなかった。
どうして気づかなかったんだろう。
彼の過去に踏み込まなかったのは、彼のためなんかじゃなかった。
傷つけるのが怖いなら、彼あてにかかってくるあの電話に、こっそり出てしまえば良かったんだ。
なのに私はそうはしなかった。
この一週間彼を避けていた本当の理由は、彼を好きなのかどうかわからなくなってしまったからだ。
けれど、その答えはもう出ている。
だから私はここにいるのだ。
だから私は、今日もツインテールなんだ。
――――ツインが好きだと言ってくれるから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます