ワタシとドライブ
時系列バラバラで申し訳ないのですが。
このお話は、ワタシが車の免許を取得してドライブにハマっていたときのお話です。
ワタシは高校を卒業して、地元の医療機関へ就職しました。
仕事が終わると、カフェオレを買ってガソリンを満タンにしてドライブに行くことが、ストレス発散になっていました。
大音量で音楽をかけながら、一人の時間を堪能できる素敵な空間でした。
暫く走るとループ橋があり、夜になると車通りもなく、もちろん人もいないのでよく行っていました。
そのループ橋に向かう途中に、有名な廃墟があります。
五、六階建ての細長い建物で、一階部分がレストラン、二階部分から上はホテルだったと聞いています。
レストラン部分は火災があったとかなかったとかで、焼けた形跡があり、ガラス張りの扉は割れて、エントランスは水浸し状態。
黄色のテープが張られて、封鎖されています。
ある日、いつものようにループ橋に向かって車を走らせていると、あの廃墟が左手に見えてきました。
周りには民家も街頭もなく、車通りもない。
時速六十キロで、その廃墟を通り過ぎようとした時、ん?なに??一瞬、何かが見えました。
廃墟の玄関の横に、人影が見えました。
チラッと見えたのは、道路側に背中を向けた複数人の若い男女でした。
背格好、服装の感じからして、中学生くらいに見えました。
五、六人くらいいたと思います。
一瞬だったのではっきりとは分かりませんでしたが、不思議と中学生らしき人たちというのは分かりました。
通り過ぎて、バックミラーで後ろを見ましたが、当然ですが真っ暗闇で何も見えませんでした。
あー、あそこは心霊スポットになってるから、肝試しにでも来たんだろうなと思いました。
でも…
あの子達は、誰一人として懐中電灯も持たず、こんな時間にただあそこに立って何をしていたんだろう…
ループ橋の帰り、また同じ場所を通りましたが、誰もいませんでした。
ワタシのホラーな日 來宮 理恵 @rai-z
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