第6話 人気取り
使徒様って? 全くの嘘でもないし・・・それで通すのも悪く
ない?
「・・・盗み聞きのようで申し訳無いですが、先ほどから一部始終見聞きしておりました、私は一応町長で町の面倒をみている者です」
「ん? 町長さん私に何か用ですか?」
「貴女様は、町の無法者の親分さんになられた様ですが、今まで通り貢ぎ物はさせて頂きますので、何卒穏便にお願いします」
「貢ぎ物?」
焼酎が無くなり、残念そうにしている子分になった男達に聞いた。
「おい! お前達町の住民にタカリをやってたのか?」
「姐さん人聞きが悪いです、町の警備代を頂いて居りました」
「そうか、タカって居たのか、今後いっさいタカリゆすりを禁ずる! 命令に背いたなら子分でも容赦せん!! 分かったな!」
「「「「「「「「「「「へい! 姐さん!!」」」」」」」」」」」
「と、言う事で町長、今後貢ぎ物は不要だ!」
「は? はい、有り難う御座います」
「おい! 町長! 姐さんは神の使徒様だぞ! 態度が悪い!!」
「神の使徒様?」
「俺達を救うため、神から力を授かった使徒様だ! 頭が高い!!」
「・・・」
町長は信じて居ないようだ。
「町長遠巻きに見てる住民を呼んで、皆に食べ物を支給する! 食べ終わったら農業指導する、全員が水牛の肉処理従事者じゃないだろう」
食べ物がもらえると聞き、住民がぞろぞろ集まって来た。
餡こは馴染みが無いだろうと思い、コッペパンにマーガリンとイチゴジャムを挟んだ物二個ずつ配った。
これ88円の時と108円の時が有るんだよ、88円の時は即買いで108円の時は夕方出直して2割4割引パン狙ったな。
住民って200人とちょっとって感じ。
「これで全員か?」
「寝たきりの老人が8人居りますが、これで全員です」
「町じゃない村だよ、200人って村にしても廃村寸前だ」
パンを食べてる住民を見ると、涙を溢してる者が多く居た。
ジャムマーガリンパン、確かに旨いが泣くほどか?
「足りない人! 追加渡します!!」
全員が来た。
ぶどう酒私は飲まないので忘れてた、今度はパンといっしょに渡す事にした。
「村長、寝たきり老人の所に案内して」
「・・・町長ですが、案内します。寝たきりで弱って居ますのでパンを食べられるか分かりませんよ」
「食べ物の支給では無い、状態回復救命に行く」
歩きながら説明した。
住民もパンをかじりながら、着いて来た。
「ここですが、死んでいるかも・・・」
崩れかけた、あばら屋に入ると異臭が漂って居た。
ミイラの様な老人の状態をみた。
「息はしている」
ダメ元で救命処置をしてみた。
「私は救命師、命を救う者・・・健康になれ!!」
町長と覗いてた住民達から、歓声が起こった。
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