第7話 ラッキョウ食わせて拝まれた

 回復した老人、年齢を聞いたが55歳と予想外に若い。

 回復させた残りの7人の寝たきり老人も、本当の意味で老人は居なかった、なぜか寝たきりだったのは男ばかりだったが。

 日本でも80年前までは人生僅か50年、軍人半額25歳と言ってたそうだ。

 栄養状態の改善で寿命は延びるはず。

 レトルトの卵雑炊と、酒粕の甘酒パックを飲み食いさせると、全員歩けるまで回復した。


 驚きの単純さ! 今までどんな粗食してたの?


「子分ども着いて来い、村長も村人有志連れて着いて来て!」

⦅町長なんだけど、もう村長でも良いか⦆

 何か村長が呟いて居た。

 例の自生ラッキョウ密集地に案内して、一本引き抜き説明した。

「この花に注目!」球根を見せて。

「これは栄養価の高いラッキョウと言って食べると元気になる野菜だよ! 球根は勿論、この茎や葉っぱも煮たり炒めれば美味しく食べれます! はい! 皆で採集する!」

 一斉に皆がラッキョウを抜きだした。

「でも取り尽くさないで少し残して置けば勝手にまた繁ってくる」

 間引く感じで採集させた。


 川で土や砂を洗い落とし、綺麗になったものをラッキョウと茎に分けさせた。

 1㎏108円の塩2袋は簡単に取り寄せられた、国産のちょっと上等な塩だよ。

 大量のラッキョウは塩漬けにさせ、茎の乱切りを塩炒めにして振る舞った。

 サラダオイルと味塩コショウした乱切り茎を、家からIHヒーターとフライパンを持ってきて、広場でひたすら炒めた。


 ※ラッキョウは一般的な食べ方の甘酢漬けや醤油の蹴飛ばし漬けにすると、大切な水溶性植物繊維が抜け出してしまいます、塩漬けにする事をお勧めします。


「勝手に生えてたものが、こんなに旨い食い物とは知らなんだ」

 単純な料理だけど、味塩コショウ調味料の勝利だね。

 住民の皆はぶどう酒を飲みながら、ラッキョウ茎の炒め物を食べて凄く満足そうにしてる。


 村長が突然改まって言った。

「奇跡の使徒様! 有り難う御座います!」

「「「「「「「「「「有り難たや、使徒様!!」」」」」」」」」」

 住民もつられたのか、私を拝みだした。

『救命師初級2等が初級1等に昇格しました』

 頭に神の声が響いた。

「昇格したけどシドウ君が居ないから、何が出来るようになったか分からんたしか中級になって旅が出来るようになるのが目標っていってたな」

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