2024/10/25 負け越し優勝

 昨日のNFL地区別最下位チームを見たところ、勝率.667で最下位というのが驚きをもたらしたことがあったようです。


 勝ち越しでも最下位というのは実際に偶にあることでして、直近では昨年のAFC北地区は最下位だったブラウンズが9勝8敗。

 地区全体が強かったりするとそういうことはよくあります。


 反対に地区全体が弱いと負け越しでも優勝というのがありうるわけでして、日本のプロ野球で「負け越しでCSは話にならん」という向きもありますが、アメリカには「負け越してもリーグ優勝」という事例が実際に存在しています。


 とは言っても、理論上はともかく実際上に存在するのはNFLくらいですかね。

 NFLはNFCとAFCという二つのリーグがあり、それぞれが東西南北となっており各4チームずつ。

 同地区対決は2試合(ホーム&アウェイ)で合計6。

 それ以外が現在は11試合で、合計17となります。

 つまり、ある地区のチームがその他の試合に全て負け、かつ、同地区対決が五分だった場合は3勝14敗で4チームが並ぶということがありうることになります。もちろん、この成績でも地区優勝は地区優勝です。

 当該対決とか得失点とか滅茶苦茶細かい形で優勝が決まりそうですが、果たしてこの成績で優勝した場合どんな喜び方になるのでしょうか。


 もちろん、ここまで極端な例はありませんが、多少の負け越しで優勝というのは普通にあります。


 直近では2020年のNFC東地区。

 この地区は名門チームが多いので元来強い地区なのですが、この年だけは揃って不調。ワシントン・フットボールチームが7勝9敗で優勝しました(この時はまだ年間16試合)。

 更にNFC西地区、南地区でも7勝9敗が2度、7勝8敗1分での優勝が存在しており、負け越し優勝も普通に存在しています。

 もちろん、負け越していようが優勝は優勝ですのでプレーオフに出られますし、地区優勝チームなので初戦は優勝アドバンテージもらえます。



 他のスポーツはどうでしょうか。

 MLBは同地区対決が52試合、その他が110試合です。

 先ほどと同じである地区がその他の試合に全敗した場合、26勝136敗で並ぶということは理論上ありえます。

 今年、最多敗戦記録を塗り替えたホワイトソックスでも121敗ですので悠々上回ることになります。


 もちろん、実際に起こるかというとまずないでしょう。

 野球は試合数も多いですので、アメフットほど成績の上下幅が出ませんしね。

 さすがに負け越し優勝というのもありません。

 ただし、まあまあ情けない優勝記録というのはありまして、例えば2006年のセントルイス・カーディナルズ(田口壮が所属していた)が83勝78敗で地区優勝をしています。

 ちなみにこの年のカーディナルズはワールドシリーズも制しておりまして、一番レギュラーシーズンの勝率が低かった世界一チームだそうです。



 日本のプロ野球はというと、交流戦が18試合で地区がないので同リーグ対決が125試合となります。

 このくらい差があると負け越し優勝の難易度も高くなります。

 仮に片方のリーグが交流戦で全敗したとしまして、同リーグ対決を63勝62敗。

 理論上ありうる最多敗戦での優勝は63勝80敗となります。

 もちろんこれで優勝でも世間は大騒ぎかもしれませんが、アメリカのリーグと比べると何だか普通の成績で面白味は少ないですね(笑)

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