生命の価値を問う力作

完成度・技巧・熱量いずれも高水準。

一見関係のない何人かの物語が最後に一つにまとまるという流れを純粋に楽しめる。

生命を研究対象として人間が完璧に操作する・臓器を単なる一機能・換金可能な商品としてとらえる・生命活動が終了すれば火葬し骨を粉砕するという、徹頭徹尾ドライな世界観でありながら、一方でウエットな物語をも含んでいる。

読み手にとっても書き手にとっても刺激になる小説であると思う。