隣の席からふと漂ってくる爽やかな香りをきっかけに広がる、瑞々しい情景と繊細な心理描写が非常に魅力的な掌編です。わずか1話という短い構成の中に、誰もが胸の奥に秘めているような甘酸っぱい青春のときめきがぎゅっと詰まっていて、読後には心地よい余韻に浸ることができます。
すこしテンポが速かったですが、作者の”ここ”が書きたいという気持ちがひしひし伝わりました。中盤からどういうオチに持って行くのだろうとワクワクしながら読んでいて、きれいに纏めていたと思います。圭はこれからどうするのか、読者に想像させる小説の作り方もよかったです。
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