もう1匹の僕の記録


 ノートや机や壁などに書かれた跡とか、昔のニャイフォンのメモから、僕が記憶をなくしてもう1匹のが出てきた時に書いたであろう事をまとめてみた。

 書いた記憶はほぼない。


 ――――


 

 はどこで生まれてどう育った? 分かんねー。まあどーでもいい

 俺が俺でいられるうちは、なーんか楽だ


 自殺する女のネコを止めた

 止めてやったのに何か悪口言われた、世の中何が良くて何が悪いんだ、わかんねー


 ドリームコア動画いいよな

 夢か現実か分かんなくなるあの感覚

 合法的にずっとトリップした感じになれる

 ヘンなクスリやるバカにはなりたくないからな

 

 現実に戻るな、戻るなクソ

 

 あー、子連れネコうぜぇ ギャーギャーわめくなクソガキ 自分の子供って他ニャンから見たら可愛くも何ともないって事を理解しろ低脳が

 

 俺を害する奴は全員死ね 俺は俺の天国で生きたいだけだ


 おふくろから、そんな残酷な事して平気でいられるのとかそんな子に育てた覚えはないわとか泣きながら言われたんだが、別に平気だ 思い上がるな、お前の子育ては失敗したんだよ


 俺の隣でヤニ吸うなブチころすぞ


 俺の事肯定してくれるのはシャウラだけだ シャウラは死んじゃダメだ死ぬとか言わないでくれ シャウラがいなきゃ俺の全てが否定される


 分かってくれる奴は今まで誰もいなかった

 バカでマヌケなもう一方の俺を殺して俺が(ここで途切れている)


 ――――


 医者は、解離性同一性障害の症状について、「もう1匹の僕は、辛い記憶から僕を守るために生まれた」みたいに言っていた気がする。なのにこの時のもう1匹の僕は、僕に敵意を持っているらしかった。

 僕だけでない。シャウラ以外のあらゆる者に対しても敵意剥き出しだった。このままだと本当に誰かを殺しかねななった。

 震えながら医者に相談し続けたのを覚えている。


 この殴り書きは、探せばまだ見つかりそうだ。発見し次第、追記すると思う。

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