13句目 悪役令嬢 少女期・学園高等科 卒業【春】



消え往けば 矜持一握きょうじいちあく 春の夢




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【悪役令嬢ガーネット・スフォルセフ(18歳)解説】


 この学園で、一体なにから卒業するのでしょう?


 未来の王太子妃、行く行くは王妃として人脈を大いに広げなければならないと、学園での交流に加え、サロンにも力を入れて輝かしい思いに胸をときめかせていたはずなのに。


 殿下の隣に立つにふさわしい淑女であることを示して行こうと、知識とマナーをしっかり身に付けました。尚且つ震える足を叱責しつつ、疎まれながらも、ただ殿下のためを思って諫言もしました。


 その結果がこれですか?



 殿下をただ持ち上げて、真綿でくるむような面々に囲まれ、わたしと同じく婚約者候補でしかないリリベル・ミレットの腰を抱いて、互いの色を纏ったあなたたち。


 そうですか、ようやく決断できました。わたしが発つのはこの学舎だけでは無いようですね。

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