12句目 悪役令嬢 少女期・学園高等科【冬】



我待ちて うち薫りたる 冬の薔薇




✼••┈┈┈┈┈┈••✼✼••┈┈┈┈┈┈••✼


【悪役令嬢ガーネット・スフォルセフ(17歳)解説】


 沈む気持ちと共に、降りしきる雪も激しさを増すようです。今年は例年にない大雪のようです。なぜかしらね、豊穣の聖女が現れたと云うのに皮肉なものね。


 忙しい王太子妃教育と学園のお陰ですっかり疎遠になっていたお母様と、久しぶりにゆっくりと言葉を交わしました。


 わたしが生まれたのは温かな春の日で、公爵邸の庭を彩る花と云う花が一度に大きく開いたのですって。


 落ち込みがちだったけれど、お母様の気遣いに少しだけ晴れやかな気持ちになりましたわ。穏やかな冬晴れでしたので、そのまま庭を散歩しました。冬薔薇の花が、優しい思い出で満たしてくれるように、咲いて待ってくれていましたわ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る