意味が分からないホームランってたまにありますわよね。

あぶねー。思ったよりもあぶねータイミング。でも、よしよし。



バーンズの旦那の打球は、他の球場なら何処でもホームランになっているような、ちょっと気の毒な当たりになってしまったが、仕方ない。



まだ4番のクリスタンテがいる。



調子は上がって来ているし、前の打席は痛烈なライトライナーだった。



今度は外野の間でも、スタンドでもバチコンと頼みますよ。




カキィ!!



痛烈!!3塁線!!




バシィ!!



サードにダイレクトで捕られた。両手を地面に着くようにしながらグラブを伸ばし、そのままローリングしながらのナイス反応。



そしてそのままハイハイしながらベースにタッチされる。



平柳君も戻ろうと試みたが、どうにもならず。



そして次の回に、そのナイスプレーのサード、アンデルにレフトスタンドへ、ドきついホームランを食らって、ジ・エンド。



マイアミとの初戦を落としてしまった。







というわけで2戦目。




エース対決ということでスタジアムは1戦目よりもお客さんがいっぱい。



マイアミのエース、16勝を挙げているアンテラとシャーロットのエース、15勝のウェブ。



共にチームの最多勝でありながら、まだリーグトップのタイトルも狙える位置。



防御率も奪三振も互角。見応えのある投手戦になるだろうと、そんな予想だったようだが。



「バティワン、ショートストップ、ナンバーセブン。ユータ、ヒラヤナギー!」



スカァン!!




平柳君の体がぐるんと回った。そして、蛇のように巻き付いていた腕とバットも力強く回転し、芯でボールのやや下を叩いた。



今日はちょっと天気が悪いかもということで試合開始前から閉じている屋根。


乾いたいい打球音がスタジアムに反響する。



打った瞬間、平柳君は素早く走り出したが、ピッチャーとキャッチャーは少しの間固まるようにしながら打球を見上げる。



そして、下を向いた。



「イッツ、ゴーンヌッ!!ディープ、ディープ、ライトフィールド!ナンバーナイン、ホームラン。ユータヒラヤナギ!オハヨウホームラン!フロムジャパン!!」



平柳君の打球は、30度弱くらいのいい角度がついて、打球速度も102マイルと十分なもの。



続けよ、お前達も!



そんな風に言いたげに、びゅーんと風のような速さでダイヤモンドを1周して俺とタッチを交わす。



「続いてよ、新井さんも」




本当に言った!



しかし、そう言われたら燃えないはずがない。



俺も体をぐりんと回した。それでも、肩の開きは最後の最後まで我慢し、おへその位置も右方向。



アウトコース高めのツーシームを上手く叩いた。



打球はライナー性の当たりとなって、セカンドの右でワンバウンド。ライト前へと抜けていった。




バーンズ。



彼も低めのカッターやツーシームを引っ掛けぬようにと、どちらかといえばタイミングは引き付け気味。



右方向の意識が高い待ち方をしていた。



バッテリーはそれを逆手に取るような思考。


インハイやインローに速いボールを投げ込み、体勢や意識をずらしていくような配球を見せてきた。



最後は低めのチェンジアップ。インコースに95マイル越えのボールを投げ込まれていましたから、これは効く。



カシィ!



早いタイミングに誘導されていたバーンズは体勢を大いに崩されてしまう。



なんとか拾って、センターの左へ高く打ち上げるだけの格好。フラフラッと上がった外野フライ。





ヒュー…………コーン。







その打球がそのまま左中間スタンドに飛び込んでいったのだった。。




えぇ………。



昨日、完璧めに捉えてギリギリ入らずだったのに、なんで崩されながらで入りますの?



正直ドンの引きですわ。



俺は逃げるようにホームインして、ベンチの隅っこでぶるぶると震えていたのだ。



あんなバッティングで130メートルも飛ばしてホームランにしちゃったらさ、何でもホームランに出来ちゃうじゃん。



俺はそんな風に考えながら見つからないようにしていたのだが……。



「アライサーン。ニッポンのゲーム教えてくだサーイ!」



ニッコニコで全然関係ないことを口走るバーンズに見つかり、ヒョイッと軽く持ち上げられてしまった。




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