絶対エラーすると予感しましたの。

最初は真ん中で戦おうとしたんだ。でも、本当に危ないと、ふと冷静になってしまったのだ。


近くで始まったし、なるべく目立つところに行きたかったのだが、何せジャパン基準とは迫力が違う。



輪の中に入ってはダメだと、本能が告げているし、やって来たクロちゃんとサクライさんにも危ないから1番遠くにいなさいと釘を刺されてしまった。





ですから、なるべく安全そうなところで、がんがえー!と応援することしか出来なかった。


それならばと、カメラマン席にいって、平柳君と協力して、大きなカメラを担いで乱闘の迫力を伝えることに専念した。



そんなことをしていると、ティーカップが少しずつ冷めていくのと同じように、乱闘も終焉を迎えていく。



明らかなお暴力を働かれなさった、向こうのセカンドの選手とうちのクラッカーマン。そして両チームのコーチが1人ずつ退場となり、お開きになった。




試合再開。



とはいえ、ノーアウト満塁である。



怒りの5番アンドリュースは力み、低めの変化球を引っ掛けて、内野ゴロ。



代わったばかりのセカンドに飛んだ。



「打ちました!!ダブルプレーコース!!……あーっと弾いてしまった!横に逸らしている!3塁ランナーが返って、2塁からアライもノンストップで狙っているぞ!!


……ファーストがカバーしてバックホームしますが……。ヘッドスライディングでセーフだー!!タイムリーエラーになりました!シャーロットが2点を先制です!!」




鮮やかなスライディングが決まった。



打球が飛んだ瞬間に、退場になって急遽交代になったポジションでしたから、ある程度の確率で何かが起こるとは思っていましたね。



セカンド正面のゴロでしたけど、何かが起こってもおかしくないというつもりで、3塁に走っていましたからね。


ベースに到達する瞬間に、3塁コーチおじさんが沸騰したやかんのような顔になった。


そして激しく腕をぐるんぐるん回し始めましたから、もらったと思いましたわね。



どっかでちょっとでもスピードを緩めていたらホームには突っ込めないタイミングでしたから。



相手のミスで一挙に2点奪い、さらにバーンズがしれっと3塁まで走っていたのも大きい。



「バッター、ハリソン・マクドナルド!!」



こういう場面になり、こっちも退場になってしまったブラッドリーのところに打順が回る。


万能型の俊足な控えであるマクドナルドが起用され、やってやるぞ!という気合いに満ちた表情で、彼が右打席に入った。



2年前は、サードのポジションをヒックスに奪われ、去年はザムにショートのポジションを奪われ、今年は日本の現役最強ショートが来ちゃいました形ですから。



メジャー8年目の31歳。通算800試合以上に出場のキャリアはある選手ですから、ベンチウォーマーに甘んじなければならない悔しさがもちろんあるはずだ。




今日は、思わぬ形でチャンスが回ってきたところだったが、しっかり準備出来ていたようだった。



高めのボールを逃さず綺麗に打ち返した。



鋭い打球が歓声と共にライトへ上がったが、深めに守っていた選手の守備範囲。



しかし、犠牲フライには十分。ホームインしたバーンズと打ったマクドナルドが戻って来る。



「BIGMAC!BIGMAC!」



「Yeah!BIGMAC!」



チームメイト達は少しイジるようにしながらそう言いつつ出迎える。



よく分からないが、彼がいいバッティングをしたらそうやって出迎えるのが1部の選手の通例になっているようだった。



つまり、この3点でこの試合もいただき。



絵描きのメジャーリーガー、ピーターソンが6回を1失点にまとめて10勝目。



クローザーのキースランドも20Sを挙げる試合となった。







セントルイスとの4試合目。



この日は、自身3連勝中だったうちの先発のエリオットが大乱調。



初回の先頭バッターにいきなりツーベースヒットを許し、さらにフォアボールを与えたところで、強烈なホームラン。


さらにタイムリー許して失点を重ねると、2回にも9番バッターに2ランホームランを打たれてしまった。



結局、復調の兆しはなく、3回持たず7失点でKOされてしまったのだった。



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