君が全部書いていましたの?

そんな中、気がかりが1つ。



「おーい、ミスターアライー!君のバッティング練習の時間だぞー!」



「はーい。あれ?バーンズまだやってないですよねー?」



「今日彼はやらんぞー」



そうなんだ。そう言えば、クラブハウス入った時から姿を見ないな。







翌日。




試合中。守備から帰って来てトイレに走ったら、今日欠場していたクリスタンテがいらっしゃった。



「ふう。やっと買って来られたぜー」



「あれ?クリスちゃん、大丈夫か?病院で検査と聞いていたが……」



「ああ、朝のうちに済ませたよ。早く買い物に行きたかったからな。新発売の限定スニーカーを取り置きしてもらっていてな。カッコいいだろう?」



クリスタンテは、バスケットシューズのような真っ赤でゴツい靴を眺めてご満悦だ。



「じゃあ、レストラン予約してるから。さっきはナイスヒットだったな。また明日な」



「あ、ああ……」





翌日。





「いやー、せっかくの休みだってのに、ジャケット撮影とは参ったぜー。おっ、アライじゃねえか。君にもお裾分けだ。新商品のチーズクラッカー。子供達のおやつにでもしてくれ。サクライとクロもな」



そういえば、今日のデーゲームにいなかったブラッドリーがクラッカーが入ったたくさんの箱を抱えて一緒に駐車場に向かう形になり、俺達にそれぞれ3箱ずつ手渡してきた。



そして、サングラスをして、カッチョいい車に乗り込み、ご機嫌でスタジアムを後にしていった。




「あれ?平柳君、今日はザム君がいないねえ」



「ザムちゃんは今日、お休みらしいですよ。昨日の夜からちょっと離れたキャンプ場に、親戚の人たちといってるとか。お土産買ってきてくれるって言ってましたね」



「へー。本当にキャンプ好きだな、あいつは」





翌日。






「ん?なんだか練習の回りが早いと思ったらヒックスとアンドリュースがいないじゃないの。バーンズ、2人は遅刻かー?」



「今日、あいつらはラスベガスに行ってるぜ。結構仲良しだよなー」



「なぬ!ラスベガスとな?」



「なんでも、なかなかチケットが取れない有名な劇団が公演をやるらしいな。


そういえば前に、日本にしかないという変なゲームを買ったんだけど、全然分からなくてよー。たくさんのメダルと、レバーと3つのボタンが付いてて………」






そうか!分かったぞ!!



有給か。みんな、有給消化しているんだな!今月は有給消化促進委員会が来ているというわけだな!




宇都宮の名探偵である俺は、そう結論付け、早速ハンコを握って、クロちゃんを引き連れて、球団事務所にダッシュしたのだった。



「すみません!有給申請したいんですけど、用紙はどちらに?」



その事務所にいたちょっと偉そうな方は、冷たく言い放つ。



「選手の方には、そんなものありませんよ」




俺はその日から、ホームランを打つことを止めた。



しかしそんな俺にも、ようやくというかお休みの日がやって来まして、オールスターブレイクというやつですわ。



7月の3週目の週中に行われる、メジャーリーグの祭典。



そういえば少し前にオールスター投票の最終結果発表がありまして、わたくしアライトキヒトは…………。






東アメリカンリーグ外野手部門の第2位!



同僚であるバーンズに肉薄する票を集めて堂々の選出となった。



打率4割0分2厘、132安打は共にメジャートップ。平柳君も大接戦を制して遊撃手部門で2000票差の1位。



他にもシャーロットからは、勝ち頭であるエースのウェブとリーグトップのホールド数を記録しているイェーガーも選出された。



そのおかげで猶予あるブレイクではなくなってしまったが、オールスターの会場もタンパベイとシャーロットから飛行機で遠くないところでしたので、1日半くらいは家族で過ごせましたわね。



デーゲーム終わりでしたから、朝早くスパーンと起きて、郊外の遊園地にお出かけしましたし。


昼にはそこを出て、ラーメン食べに行って、お買い物して、家でお菓子食べながらゲーム大会して、昼寝して。


かえでとかずちゃん連れて、公園にボール遊びにいって、帰りにケーキ買って帰って、子供達とお風呂に入ったらもう夕方ですから、隣の平柳家に特攻しましたわね。





「申す、申す!そのチーハンよこせやい!」



「もうす、もうす!」



「きゃっ、きゃっ!!」



こちとら子供の相手をして腹ペコなわけですから、もう待ちきれないというわけである。



それは外でたっぷり遊んだ小さな怪獣達も同じ。



ちゃんとお行儀よく玄関に靴を揃えて置いてから、平柳家にアタックを仕掛ける。



「きゃっ、きゃっ!!」



「はーい、かずちゃんは危ないから、1人行っちゃダメですよー。平柳夫妻こんちはーっす!」



間もなくおパーティーということで、水嵩アナは、黄色いエプロン姿でまさにチーズハンバーグの仕込み中。



子供達を喜ばせようと、合挽き肉を捏ね、中には濃いオレンジ色のチェダーチーズを包み込んでいた。



平柳君はその目の前で、ダイビングテーブルに着いて、いっちょ前にコーヒーなんかを飲みながらパソコンを触っていた。



「よー、平柳君。オフを満喫しているかね。今は何を……?」



「今は、日課にしている新井さんのウィキペディアを編集中ですね」



「何してくれてんねん」



そんなおかしいパパは放っておいて、リビングで遊ぶ2人の平柳キッズとおもちゃで遊んだ。



しばらくすると、公園に行く前くらいからやり始めていたローストビーフが出来上がったみたいで、もみじに生ラーメンを持たせて、みのりんが参上。



チーハンも焼き上がり、腹いっぱい夢いっぱいのご飯会を楽しんだのだった。













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