アメリカンゴールデンボールヒッツ!!
なんて素晴らしいのかしら。
年齢のわりに、ベースボールが出来るからって、テンションが上がっているだけのように見えたが。
実はロングフォレスト一家の年上組達が、1番ちっちゃい子をそっちのけで駆け出してしまうことを見越し、手を差しのべるために車に近づいたという真相。
これは新井イズムですわ。
俺は腕におもちゃの注射器をぶっ刺したり、食中毒試合で張り切っていたり。
土下座ヒーローインタビューをしたり、番組の収録で分からず屋のディレクターをぶん投げたりしたのと同じ。
先を見越した行動。今、自分が取るべき選択、その先にあるものを見据えた運命の切り開き方を分かっているという。
これは我が娘ながら素晴らしい。
称賛に値する。
そして今は、ロンギー1家と、他の選手やチームスタッフの子供達もいますから。
みんなを集めてバランスよくチーム分けを取り仕切ったかえでちゃん。
そしてチーム毎に並ばせて、持ってきたタブレットでアメリカの国歌を大音量で流して、試合の成功を願うのだ。
その後、どういう訳か1番年上の子をノッカーに指名してシートノックを挟み、ようやくキッズゲームが始まる。
芝生上での、お遊戯ベースボールというのを分かっているのでしょうか。
さらに彼女は、ちゃっかりバッティンググローブを装着して、バット虫除けスプレーを滑り止め代わりに噴射し、そのまま先頭バッターとして打席へ向かった。
パカンッ!!
そして初球のインローの速球を掬い上げる。打球はぐんぐん伸びてライト後方へ落ちるホームランとなる。
投げキッスをしながらのダイヤモンド1周。
その一連の流れに、見ていた大人から大爆笑が起きたのだった。
試合はかえでの先頭バッターホームランで先制したベアーズが序盤の主導権を握る。
かえではさらに先発投手としてマウンドに上がり、ノビのあるストレートを低めに集めて、ウルフズ打線を封じる。
3回には、ランナーを2人置いて、平柳君の長男である陸君が、父親譲りの力強いプルヒッティング。打球はライト線を鋭く破って追加点を挙げた。
その裏、ウルフズも反撃。シャーロットウイングスのベースボールアカデミーに通う、ロングフォレスト家の年上組がさすがのバッティング。
かえでのストレートを狙い打ちし、3連打で2点を挙げた。
ベアーズも次のイニングに反撃。
かえでが誰か譲りの流し打ちでレフト前に運ぶと、もみじが1塁前にきっちり送りバントを決めて得点圏へランナーを送り、打席にはロンギー家の紅一点、キャシー。
2つ年上である兄の容赦ない攻めに2球で追い込まれてしまうも、かえでのアドバイスでバットを拳1つ短く持ってコンパクトに振り抜いた。
その打球がピッチャー返しとなり、兄の股間に命中するタイムリーで勝負あり。
シャーロットウイングスキッズ、BBQ記念試合は、日本人組が躍動したベアーズが勝利を収め、みんなで記念写真を撮影していざ肉フェス開催となった。
ロンギーパパによってMVPに輝いたかえでには、ノースカロライナ州のBBQの大会で準グランプリに輝いたこともあるザムパパから、特大のトマホークステーキが送られた。
今回のBBQの目玉。
2キロオーバーのぶっとい骨が2本付いたままの巨大肉。
スパイスとガーリックをこれでもかと塗り込んだそれを炭火を敷き詰めた焼き台で常に転がすようにして炙る。
15分炙ったら、アルミホイルを巻いて10分休ませ、また15分炙る。
みんなで交代交代で骨を掴んでひたすらに肉を返す作業を繰り返すのだ。
俺もみのりんも、かえでも、もみじも参加して、汗だくになりながら肉の塊と格闘した。
大人でも椅子に座りながらだと、網をひっくり返しそうになってしまうし、子供がやったら芝刈機を操縦しているみたいになりますから。
そんな肉を何セットも焼くとアルミで包むを繰り返し、仕上げにバターとハーブとわさびを混ぜたソースをさらに塗り込む。
肉の表面全体はもちろん、骨の付け根から、切れ目にも念入りにバターソースを纏わす。
そして仕上げに表面をこんがりと焼き上げれば、迫力十分のトマホークステーキの完成である。
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