そら、テリヤキを3つテイクアウトして、家でレタスをトッピングするんよ。
1と2以外ならば何処でも守れる、俊足のメニュー豊富なスーパーユーティリティであるマックちゃん。
ここまで8回0封のピーターソンをリードしてきたロンギーを下げるのはかなりのリスクが生じるが、上位に回るこの回が勝負であろうと、ロレンス監督は決断したようだ。
ザムに次ぐ俊足であるマクドちゃんを1塁に置いてボスはバントのサインを繰り出した。
ゴリゴリの送りバント。ザムはピッチャーが投げる前から構える。
バッテリーもファーストサードにポジショニングの指示を出しながら、盗塁の可能性も視野に入れて、ブーイングを浴びながら執拗に牽制球を投げていた。
4度牽制した後の初球。
高めのストレート。ザムはそのままバント。
ギンッ!!
当て損なったボールは宙に舞い上がる。キャッチャーが立ち上がり、追いかける。
ボールはその先に落ちてファウルボールとなった。
2球目は高めが外れて平行カウント。変わらずザムはバントの構え。
3球目は変化球。膝元に落ちるスプリットだった。
ギンッ!
「バントです!1塁線転がりましたがファウルです。これでザムは追い込まれました。どうしますか、シャーロットベンチ」
「スリーバントはちょっと難しそうですね。足を絡めた攻撃をするなら、もう少し早いカウントにするべきでしたが……」
サインが切り替わり4球目。
多少エンドランを警戒してか、アウトコースに速いボールを投げ込んできた。中腰の体勢になったキャッチャーが捕球し、チョロチョロするドナルド君を偽投の動作で牽制する。
さらにサインが切り替わって5球目。
チャイナマック君がスタートを切った。
そしてザムが打つ。
セカンドのやや右に転がった打球となった。
回り込んで反転しながら捕球し、2塁に送球………しようとしたところで、マックちゃんは頭からベースに滑り込もうとするところ。
ショートの選手もボールを呼び込もうとはしていたが、セカンドは2塁を諦め、1塁へボールを送ったのだった。
難しい判断。難しいタイミング。
1アウトランナー2塁となった。
ザムが打たなくても、そのまま盗塁成功になっていただろう抜群のスタート。再三牽制を挟まれていたのにも関わらずに。まるでダブチのような走り。
2塁フォースアウトになるのとでは全然違いますからね。代走で出ていってしっかり仕事が出来るのは本当に凄いですよ。
そうなるとワンヒット。
1点取りゃまた昨日みたいにと、勝利のイメージは出来ていますから、外野も前目に来ていますし、平柳君がライト線が右中間にスコーンとかっ飛ばせばもうオッケーですわよ。
「ピッチャー投げました!」
スコーン!!
平柳君は果敢に初球から狙っていった。
もう同じピッチャーで4打席ですから、そろそろもう打っていかなくてはいけませんから。
狙っていったのは、インコースに入ってくるカット、スライダー系のボール。引っ張りたいので若干ポイントを前にした分、ややバットの先になったが、鋭い打球となって1、2塁間へ。
バウンドした打球に合わせるようにしながらセカンドの選手が回り込む。
ハーフバウンドになりそうな難しいポジショニング。抜けなくても、ちょっとでも弾いたら内野安打になるところだ。
「セカンド回り込む!滑り込みながら、弾いたっ……いやっ、すぐに素手で掴み直して1塁へ!………アウトだ!足の速いヒラヤナギでしたが、アウトにしましたっ!」
「これはセカンドのムーア、非常に難解な打球でしたがアウトにしました。ちょうど芝生との境目で跳ねたボールでしたので反応しづらいところでしたが……」
1度は打球を弾いたが、中腰のような体勢で右手を伸ばして無理やりボールを手中に収め1塁に送球し、アウトにした。
立ったままの状態だったら、懐に入りすぎてもたついていただろうところを。見事なリカバリーだ。
しかし、2アウト3塁。
俺が返せばそれで良い。
そんな風に思いながら振ったバットだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます