地を這うレーザービームをお魅せしますわね!
「初球、打っていきました!!レフトへ!!アライが下がって、下がって!ジャンプ!!……捕れませんっ!!捕れませんでしたっ!!
打球がフェンスに跳ね返る。打ったマーカスは2塁にいきました。ツーベースヒットになりました!いきなりニューヨークがチャンスを作ります!」
捕れないんかい!!
って、自分でも言ってしまいましたわ。前の試合で守備に関して偉そうにベラベラと語っていたわりにこの体たらく。
フィールディング力50台というのも、見事に妥当な評価でしたわ。
1番バッターにいきなりスローカーブを打たれましたから、ちょっと使いづらくなったのか、速いボールを3球続けた。
差し込まれた左バッターが打ち上げた打球がまたレフトへ。ライン際に上がった打球がグイーっとスタンドに向かって切れていく。
さっき捕れなかった分。なんとかしなければ。
俺は帽子を振り落としながら懸命に走り、サングラス越しにしっかり打球の切れ具合を掴んで、フェンス際。
走りながらグラブを差し出した。
ボールをグラブに収めながら、体を回して、フェンスに打ち付けないようにする、見事な身のこなしだった。
ポロン。
コロコロ。
「ファウルボール!!」
残念ながら完全捕球とはならなかったみたいですが。
しまった。追い付いていたのに。やっぱりフェンスが多少気になってしまいましたわね。
しかし、反省。
ピーターソンもまたレフトに飛んではかなわんとロンギーの要求通り、低めに投げ込む。
カンッ!
流し打ち。サードの横。
バシッ!
ナイス横っ飛び。サードのヒックスが三遊間を抜けようかという打球をワンバウンドで押さえた。
立ち上がりながら2塁ランナーを目で牽制し、軽めのワンステップで1塁に伸び上がるような送球で1アウトとした。
いいねぇ。ヒックス君。抜群の反応とハンドリング。まさにメジャーリーガーという、ファーストに突き刺すような正確な送球。
ここまでのお察しフィールディングを晒してしまった俺の前に抜けていたら間違いなく1点になっていたでしょうから、スーパープレイでしたわね。
そして次のバッターからは、落ちるボールが上手く効いて空振り三振を奪った。
2アウト2塁。
カキッ!
「まだサードの右だ!ヒックスがまたダイビング!!抜けました、三遊間!2塁ランナーは3塁を回る!アライからのバックホームだ!!ワンバウンド、ツーバウンド、タッチする!
アウトになりました!ここはアライが刺しました!ロンギーも素晴らしいタッチプレイ!シャーロット、先制点を与えませんでした!」
こういうことよ。
ヒックスにグラブでおケツを叩かれながら俺はベンチに向かって走る。
確かに何とか補殺を記録することは出来たが、その前に2つ捕れたような気がするフライがあった。
俺は、ピーターソンの側まで行ってまず謝罪だ。
「ごめんな、ピーターちゃん。どっちも微妙なところで捕れなくて……」
「なあに。なんとなくそんな気がしていたから大丈夫さ。最後のバックホームでアウトにしてくれたしね」
と、彼はタオルで汗を拭いながら笑顔を見せた。
俺がほっとひと安心していると、バーンズがやって来て……。
「でも、最後はコロコロバックホームだったね」
と、揚げ足取り。
「何を!れっきとしたツーバウンドだろ!」
と、反論したが、それがコロコロなのさとまた言われてしまい、みんなに笑われてしまったのだった。
コロコロの何が悪い。ノーバウンドでもベースの上にいかなければ意味はないからね。
などと考え、心を乱してしまったのがいけなかったのか、バットの方からは快音響かず。
3打席連続のコロコロなセカンドゴロを喫してしまった。
ピーターソンのピンチは7回。先頭バッターにフォアボール。不運な当たりの内野安打などで1アウト満塁のピンチとなってしまった。
カンッ!
そして打球がセンターに上がる。
定位置よりやや右に飛んだフライ。
どれどれ。俺の渾身返球をコロコロと言いはなったからには、それ相応のやつを見せて貰おうじゃないの。
バシッ!
ビシュウッ!!
ギュイーン!!
「アウッ!!」
申し訳ございませんでした。超メジャー級でした。
ドンピシャのウルトラレーザビームでしたわ。
ブンッ!!
バシィ!!
「空振り三振!!今日のピーターソンは1等賞だったようです!スローカーブでカウントを稼いで、最後は100マイルで10個目の三振を奪いました!後はシャーロットが点を取るだけ!8回裏に入ります!!」
昨日から続く打線の不調はなかなか払拭されず。今日も7回まで僅か2安打と完璧に抑えこまれていた。
8回の攻撃は、8番のロンギーから。相手先発はここまでテンポよく90球に満たない球数で来ており、まだボールに力があった。
ビシュ!
ガシッ!
それゆえに、ロンギーへのデッドボールは、向こうの方が痛いものとなった。
左腕のアームガードに当たったボールがバックネットまで転がる。ロンギーはちょっとびっくりしながらも、あんまり痛くないのを確認しながら、1塁に歩く。
「マクドナルド!!」
「イエス!」
ヘッドコーチが叫び、代走の選手がグラウンドに出ていく。
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