第13話 フェンリル
火炎 熱燗
酒盛 昏睡炎舞
ズドーン!
俺と酒呑童子の攻撃がフェンリルに当たった。しかし、フェンリルには全く聞いてないようだ。
「は?無傷とかいくら何でもおかしすぎだろ!酒呑童子、あくまでアイツお前と同ランクだよな?」
「ああ、でも俺もなんでか知らんが最近本気が出せないんだよ」
「は?それもっと早く言えよ」
「ワオォォォォォォン!」
フェンリルが前足に炎を纏い、それを飛ばしてきた。
火炎 熱燗
酒盛 昏睡炎舞
ズドーン!
俺と酒呑童子の攻撃がフェンリルに当たった。しかし、フェンリルには全く聞いてないようだ。
「は?無傷とかいくら何でもおかしすぎだろ!酒呑童子、あくまでアイツお前と同ランクだよな?」
「ああ、でも俺もなんでか知らんが最近本気が出せないんだよ」
「は?それもっと早く言えよ」
「ワオォォォォォォン!」
フェンリルが前足に炎を纏い、それを飛ばしてきた。
ヤマノカガシ
目の前に山越さんが飛び出してきたかと思うと、フェンリルの炎に対して盾を構えた。するとその盾のふちに蛇が現れた。その盾に触れた炎は下に滑り落ちた。
「大丈夫か?」
「あ、はい。ありがとうございます」
「俺の力は物理攻撃をしてくる奴には有効だが、あんな感じに遠距離から何か放ってくる奴には至近距離まで近づかないといけない。大蛇と一緒に奴の動きを止めてくれ。そしたら俺が仕掛けられる」
「ああ、分かった。行くぞ酒呑童子、八岐大蛇」
「ああ」
「承知した」
俺と酒呑童子、八岐大蛇はフェンリルに向かって走り出した。
「ワオォォォォン!」
またフェンリルが炎を飛ばした。
「その程度の攻撃、我には効かん!」
一蛇 蛇足
八岐大蛇はうねうねと曲がりながら進み始めた。最初は俺もなんでそんなことしてんだろうと思っていたが、いきなり速度は上がり、フェンリルの炎をすべてはじきながら前に進んだ。
「晴人。あいつの後ろにつくぞ。そこなら炎は当たらない」
「ああ、分かった」
俺と酒呑童子は八岐大蛇の後ろについた。こちらに飛んでくる炎はすべて八岐大蛇がはじいてくれる。そのまま俺たちは前に進み、フェンリルとの距離はもう5メートルあるかないかまで近づいた。
「ここまで近づけばあとは俺が」
酒盛 火炎一閃
酒呑童子は急に飛び出し、目にもとまらぬ速さでフェンリルを貫いた。フェンリルが攻撃を食らいひるんだ。今だ!
火炎 酒蔵
俺は酒蔵でフェンリルを炎の中にお閉じ込めた。ぴったり入るくらいの、窮屈な空間だ。ただ、耳だけは片方だけ出ている。
「山越さん!いまです!」
すると、山越さんはそれから飛んできて
「わかった!」
と返事すると、そのままフェンリルに一直線に落ちてった。そして地に足が着いたとき、彼の盾はフェンリルの耳に着いていた。
「これなら絶対に当たる」
ヤマノカガシ
すると、盾にいた蛇が一斉にフェンリルの耳にかぶりついた。
「こいつらには化物にも効く猛毒が入っている。どんなに強い化物でも毒が入ってすぐにまず全身がしびれる。五分後にはめまいがし、十分後には死ぬフェンリル、お前は何分持つかな?」
「ウワン!ウワン!」
フェンリルの悲鳴が聞こえる。結構強力な毒なんだろうな。
「これでもう大丈夫だ。どんな化物でも十分もしたら死ぬ。ありがとな」
「いえいえ、こちらこそありがとうございます」
「なあ晴人、敬語やめていいぞ」
「へ?」
「ああ、一緒に化物倒した仲だ。名前も、彼方って呼んでくれ」
「ああ、分かった。よろしくな彼方」
「ああ、よろしく!」
俺と彼方は握手した。
そして十分がたち、フェンリルは祓われた。その数分後
「みなさん、大丈夫ですか?」
例の試験管の声が聞こえた。
「おや?フェンリルが祓われえる…まさか、あなたたちが…」
「ああ、そうだ」
「ちょ彼方相手試験管だぞ?」
こいつ礼儀とか知らないのか?
「そうでしたか…ならよかったです。予想しなかった侵入のせいで受験者が何人かなくなってしまいましたが、何とか無事でよかったです」
そうか、今回救えなかった人も…
「晴人」
酒呑童子が話しかけてきた
「確かに今回俺たちには救えなかった命があった。でも、今回の戦いで俺たちは強くなった。救える奴が少しは増えた。失ったものは数えるな。目の前のものを俺たちは救うぞ」
なんだよ、結構いいこと言うな。
「ああ、わかった」
「では、双川晴人様、山越彼方様、五芒星入隊試験、合格です!」
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