第33話 逃げ②

 好き、嫌い、好き、嫌い、好き……どうしよう、そうなっちゃうと困るわけで。花びらを、ちぎって、好きか嫌いかを確認する。学生の頃、クラスメイトがやっていたけど、あの時バカにしてごめん。心の中であやまった。心理状況を調べて、この気持ちは、まだ好きまでいってない、本命ほんめいでないという男性心理も調べてみた。あてはまっていたら、ドキドキしてやり直しを、違っていたらホッとしていた。


 好きじゃなくて、あこがれかも。そう、言い聞かせた。もしかしたら、今まで不誠実ふせいじつに相手と付き合っていたから、ばちが当たったのではないのだろうか。これは、修行なのかもしれない。人と誠実に付き合うための。


 恋をすると人は、その気持ちを認めたくないため、けをしてしまうらしい。これは、そうなのか。誰かに相談しづらくて、ひたすら調べて気持ちをおさえようとした。そもそも、これは好きという気持ちなのだろうか。


 料理をした時、見てもらいたくて話を聞いてもらいたかった……甘えですね。好きではない。子供がお母さんに報告したくて、ウズウズしている、あの感じ。弁当も味噌汁も、作ってみたら誰かに聞いてもらいたかった。


 おかしいな、そう強く想えば想うほど、せつなさも付いてくる。どんな気持ちにもさびしさやせつなさが付きまとう。


 これでいいんだ。


 無理して忘れようとしていない。自分を守るために、あえて好きという感情には乗らないってだけ。会って話したいなとか、今、何してんのかなはおさえ込んだ。


 そうだ、また別の人を探せばいい。これは、事故みたいなもんだ。楽しかったけど、最初の頃みたいに、静かに終わらせるって感じで……でも水かけられたな。ゆっくり忘れよう。そうだ、新しい趣味でも見つけるかな。


 でも、気持ちはしずんだままだった。本当は、そんな気持ち微塵みじんもない。認めてしまうと止まら無さそうで、こわい。だから、気持ちにふたをして、別の人を探そうとした。

























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