第32話 逃げ①
もしかしたら、人恋しくて、何か……
そうそう恋は
はっ!
思いついたことは、あった。母親か? お母さんか? 電話してないから、どこかで求めていた? な~んだ、そっちか。そうだな、きっとそこから年上女性に
俺は、さっそく母親と話すために実家に電話をかけた。
「もしもし、もしも~し」
「……」
あれ? つながってるはずだけど、
「あっ、
「あ~、
「あの、無言って。番号で分かるだろ、俺って」
「いや、名乗ってもらわないと」
いつもの母親の声でホッとした。実家の電話は、ちゃんと
「そしたら登録しようか、俺、今度、帰ってきた時に」
「いいのよ、これが簡単だし。で? どしたの」
「いや、なんか元気かな~と思って」
「元気よ、ついこの間、話したばかりじゃない」
あっ、そうだ。最近、電話したばかりだった。
俺は、ちょっと恥ずかしくなった。父親と話すと目的が変わってくるしな、まだ帰っていないか。
「それより、仕事だったんじゃない。こんな夜にかけてきて」
「夜って言ったって、8時じゃん」
「
「別に疲れてないよ」
あれ? もしかして、もう寝ようとして電話を切ろうとしてる? どうしよう、こんだけ
「なんか、あったでしょう。あったな」
お母さんが、なにか
「いや、別に。元気かな~って」
「そんなことで電話するわけないでしょ。話したばっかなのに。目的は何?」
「いや、何もないって」
「そう、じゃあ話せるようになったら、休みの日にでも電話してくださいな」
「あっ、もう切るの」
「ふふっ、何よ。なんかあったんでしょ。あなたの声を聞いて分かるわよ」
「なんか、嫌だなぁ」
お母さんは、ちょっと楽しんでいた。
「ゆっくり休みなさい。仕事もあるでしょ。少し自分で考えて、また電話してね」
ガチャ、ツーツーツー。
携帯の向こうに音が、静かに鳴り響いた。これで、解決したのだろうか。俺の感情は、元に戻ったのだろうか。この
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