第28話 納得①

 俺は、あの女と会ってから変わっていく自分の変化に驚いた。これまでは、合コンで楽しくご飯を食べて、女の子と盛り上がることが仕事のモチベーションにもなってたのに。なんか、自炊じすいしている自分がいる。それならまだしも、自分にお弁当を作っている自分がいる。まるで自分のための自分になっている……どういうこと?


 そして何より、女の子とは慣れてるはずなのに、今では一人のあの女の名前を言う事自体、なんか気まずい。まぁ、別に気にはしてないんだけど。


 月本……実……俺は大人だ。何を考えてんだ。もう、お子ちゃまじゃないんだから。

 自分に言い聞かせる。久しぶりに話してみたいな~、携帯を見てみる。そして、テーブルの上に置く。3連休の1日目。いつもなら、お出かけして買い物して、ご飯食べて帰って来るのに。ずっと家にいて、自炊してる自分がいる。なんなら、久しぶりに筋トレしてる。何かが変わってる。俺って、こんなんだったっけ。


 ちょっと、待って過去を思い出してみた。そう、あれはモテたくて筋トレを始めた時だ。スーツを着る時に、きれいに見えたらいいなって筋肉を付けたくて始めたんだ。そして、女の子からモテたらいいな~なんて思って始めた。


 初めの頃は、ジムにかよった。その時は体格たいかくのいい男の人がいっぱいいて、あ~俺って場違ばちがいだなって恥ずかしく思ってたけど、そんなこと気にする必要も無かった。みんな各々おのおの、トレーニングしてるし、トレーニングの負荷ふかだって、人によって、それぞれだった。


 何より頑張っている人達の中で、自分も頑張ろうとたいしたことはやって無いけど、嬉しかった気持ちがあった。それまでの俺は、自分に自信が無くて、こんなところに入っちゃったけど、大丈夫かな。居て良いのかな、やっていいんかなと勝手に不安をつのらせていた。慣れてない時は、周りをキョロキョロしてたけど、マシンだって手こずって、この動きでいいんかなって試行錯誤しこうさくごしてた。


 でも、少しずつ黙々もくもくとトレーニングをやっていくと、ただりょうをこなしている感じだったんだけど、あと音楽を聴きながらモチベーションをたもってたんだけど。肩と腕がまって、筋肉が少し付いているのを触って感触が変わっているのに、ビックリして、太ももは脂肪が付いの太さじゃなくて、締まって少し筋肉が付いて触って、これが筋肉なのかな? まだ、タプタプしてんなと、変わってんのに楽しさが増した。


 疲れと筋肉痛は付いてまわってたけど、それに上回る引き締まっていくのは嬉しかった。最初は、早く結果でないかなって思ってたけど、今は変化を楽しんでる。引き締まると良いなって、トレーニングを続けて、気づいたら締まってるって感じ。


……で、だから何なんだ、俺。


 そう、それと似てるんだよ。なんか自分が変わることに出会ったものって大事な物なんかなって。筋トレって、アスリートとかボディビルの特別な人達しか出来ないもんだと思ってた。でも、実際やってみて分かる。あれだけの筋肉を付けてるのは、どれだけの量のトレーニングをこなしているのか。締まるだけなら、少しだけ分かってきた。でも筋肉を付けるのは、その負担を超えての世界になるんだって。あ~、いつかそういうことが語り合えるまで、俺、頑張りたいなって、今も続いている。ヤバい、ちょっと熱くなってしまった。


 あっ、良い感じに餃子ぎょうざが焼けた。冷凍餃子れいとうぎょうざを焼いて、前日に作った冷凍ご飯と味噌汁を温めて、餃子定食にしてみた。うわ~、定食屋で食ってる餃子定食には勝てないけど、俺って自分で作って家で飯食ってる~。嬉しさをめて、餃子を味わった。





























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