目覚め

 少し休憩すると、老婆トゥールは占いの続きをしてくれた。手相をじっくりみると、最後には一瞬静電気のような魔力を発して、思わずヘリオはとびのいた

「いたっ」

「ああ、すまない、警告していなかったね」

 ふむ、といいながらじっとヘリオの手相を見るトゥール。そうしてしばらくすると、口をひらいた。

「お前さんは……お前さんはそうだね、まるでこの世界の事を“幻覚”のように思っているね、温かい村で育ち、人々に支え得られいきてきたが、どこか違和感があった、だが、心配する事はない、ここでの生活になれれば、またあの場所へ戻れる、しかし……」

 ヘリオは、静かに彼女の占いをみまもった。まさか、この老婆は自分の転生について考えが及んでいるのではないか、それくらい饒舌に、かつ冷静に自分を見ている気がした。

 目を閉じてトゥールは、ヘリオの手をさする。

「ああ、そうだね、お前はどこか、違和感をかかえている……大事な人のやさしさに、だが恐れることはない、お前は未来に出会い、そして過去に出会うだろう、そして、成熟して気づくはずだ“炎こそが始まりだと”」

「!!!」

 そういわれた瞬間に、ヘリオはたちあがり、同時にめまいがおきた。そして吐き気が生じた。まさか、老婆が何かをしたのか?だがそんなはずはない。自分の魔力と魔力に関する感知に関しては、なぜか、自信をもっていた。


『ヘリオ!!』

 エィミアの叫びがきこえる。だがその甘い感じは、ヘリオの脳内にはとどかなかった。

『ヘリオ!!!お前、俺様の食事を忘れてねえだろうな!!このババアの菓子を、俺につつめ!!早く!!!』

 ラッシュの声だ。しばらくおとなしくしていたが忘れていた。こいつが食いしん坊だってことを、人に迷惑をかけたり、自分の欲が強いものは元来すきではなかった、だが彼は妖精だ、かつこの状況でヘリオを気遣っているだろうことをふと考え、そう思うとなんだか笑えてきて、腰をおろした。同時に、念じただけで、近くのキッチンの水道の蛇口をひねり、その水を頭からかぶった。

「お嬢ちゃん、ヘリオお嬢ちゃん、大丈夫かい?」

 老婆のトゥールが心配していた。

「呼びかけに反応しないから、どうかとおもって」

 ヘリオは笑った。

「大丈夫です……あまりにもあたっていて、それに、自分自身重要な事に気づかされた気がします」

「すまないねえ、ちょっと、辛い事を思い出させてしまったかい?こういう事もよくあるのだよ」

「いえ、トゥールさんは、自分の仕事をしただけです、素晴らしい仕事を、気になさらないでください」








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