レッドウィッカ編

レッドウィッカ拠点。”フウカ” ”魔女のツノ” ウィード

 長かった森を抜けると、少し開けた土地についた。といっても、意図して人工的にというよりかは、むしろ、大昔の何かの大戦で魔法か何かをつかった痕跡か、巨大なクレーターでへこんだような場所だった。そのあちこちに集落が点在していて、ここはどうやら様々な国の管理から逃れた人たち、いわゆる"フウカ"と呼ばれる人たちの集まりらしかった。


 馬車をおりると、長い鷲鼻の御者がおりてきた。どうやら、その人がケローネを保護、救出した人だった。

 最後におりたヘリオをみて、その鷲鼻の男が近づいてくる。口の端に傷があり、きっとむすんだくちもとはへの字型になっている。もみあげからあごまでかけて髭があり、眉毛のボリュームも多く、下がり眉だった。巨大な盾をもっていて、それににつかわしくない小剣をいくつか腰にぶらさげていた。

「……」

「あの……何か?」

「いや……その」

 そのとき、“ニヨネ”がわってはいってきていった。そして、彼の表情をみると

、まるで彼を庇うように語った。

「彼は”ウィード”ケローネをかくまった方がいいっていうのは彼の提案なのよ、彼は心配しているわ、突然こんな事になったことと、私たちが、説明もなくしてきたことを」

「私たち?」

「ヘリオ……今まで隠していてごめんね、私、レッドウィッカの一員なの、厳密には魔女ではないけれど、その血筋で、”魔女のツノ”の魔力を使えるのよ」


 エィミアは、ヘリオの首元にざわざわと現れると、いった。

『すべて計画通りだわ』

「え?計画?あなたもレッドウィッカだったの?」

『そうじゃないわ』

 そういうとエィミアはひっこみ、それ以上何をとうても答えを返してこなかった。


 しばらく進むとクレーターの端で、ウィードが突然右手をかかげた。突然その動作に一瞬どきっとしたが。その手のひらの中の赤い石が光ったために、何らかの合図をおくったのではないかと思った。その考えはあたった。クレーターの底は平になっていて、四方を石の壁で囲ってある。その壁の内側にある見張り台の上から、同じ赤く光るものの合図があったのだ。

「それは?」

「血の石晶、魔女のツノから生成されたものだ」

 かたわらから、ネーラに抱えられたエイブス、もといユランが現れてつぶやいた。

「エイ……ユラン、元気になったのね」

「ああ、大分楽になったさ」

 その名前で呼ばれたのが恥ずかしかったのか、クスリと彼はわらった。ヘリオがクレーターの端をみると、いくつか降りるための木製の階段が斜めにはりめぐらされていた。





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