靴が導くドタバタ陰謀劇
- ★★★ Excellent!!!
序盤を読んでの感想です。
本作は、スパイのような盟主エリックと、自由奔放な着付師ミリアの関係を中心に描かれるラブコメディです。ひょんなことから出会った二人は、互いに衝突しながらも、次第に街の陰謀に巻き込まれていきます。物語はテンポよく進み、軽快な会話劇と共に、ウエストエッジの不穏な動きが少しずつ明かされていきます。
ミリアはとにかく自由で、エリックのペースをことごとく崩す存在です。彼女の行動は全く読めず、ツッコミどころ満載ですが、その奔放さが魅力でもあります。一方、エリックはクールで計算高い男ですが、ミリアに振り回されることで、「盟主」「モデル」「スパイ」という完璧な外面が少しずつ崩れていくのが面白いところです。また、スネーク・ケラーの登場によって、エリックの「ボス」としての裏の顔が明らかになり、彼が単なる貴族ではなく、影の世界にも関与していることがわかります。
本作の文体は軽妙で、キャラクターの個性が際立つテンポの良い会話が特徴です。ミリアのリアルなツッコミが随所に散りばめられており、コメディ要素を強く押し出しています。シリアスな場面では緊張感を出しつつ、すぐにユーモアへと切り替わるテンポの良さも、本作の魅力を一層引き立てています。
二人の関係がこれからどう変化していくのか。テンポの良い掛け合いと、少しずつ広がる謎が絡み合い、続きが気になる作品です!