線引きが守るもの、救えないもの
- ★★★ Excellent!!!
傷つくのが怖くて距離をとってきた人間関係。
安全な距離で繋がることができる、理想の相手。
確かにAIにとっては、最適の役割かも知れません。
命令をして線引きをすれば、必要以上にこちらに割り込んでくることはない。
でも人の心は単純じゃないですよね。
「ひとりでいたいけど、寂しいのは嫌」
「依存したくないけど、支えは欲しい」
そんな言葉とは裏腹の本音が、命の危機に際して「119をかけたいのに、かけられない」という矛盾となって露呈します。
その時、AIには何ができるのか。
寄り添い、声をかけて、しかし最後の一手は――
今は誰にとっても身近になったAIとの接し方を、少しだけ考えさせられる作品でした。