あらすじ
スーツ姿の青年、リョウガは、真新しい廃墟の瓦礫の下に埋もれていたひとりの少女をひきずりだして助ける。助けられた少女は高校性で自分のことをヒメと呼んで欲しいといった。瓦礫は廃墟の各所へ厳密な計算のもと爆弾を仕掛け、それらを爆破し、まるで『みえない怪獣』が廃墟を破壊したような映像を表現する、現代パフォーマンスのアーティスト集団『怪獣ショウ』のショウが跡だった。ショウは全国各地の廃墟で実施され、配信され、人々の注目を集めていた。国内に無数の処分に行き詰まった廃墟があり『みえない怪獣』は、そういった廃墟を破壊し、さらに、パフォーマンス後には無償で、廃墟を片付けてくれるため、廃墟を提供を申し出る者たちが多発していた。ヒメは『怪獣ショウ』のパフォーマンスの大ファンであり、ショウに近づき過ぎたため、爆破に巻き込まれて、みえない怪獣に破壊され、崩れた瓦礫の下敷きになっていた。『怪獣ショウ』の率いるのは若いショウという男だった。ヒメは『ショウ』のファンであり、彼女は家出をし、『怪獣ショウ』を見るため現場にやってきて、爆発に巻き込まれ、瓦礫の下敷きになった。彼女を助け出した青年、リョウガはショウの終了後、現場へやってきた。彼はヒメを救出した後で、彼女からあなたもファンかと問われ、話す、自分はショウを殺すために、ここにやってきたと。とたん、ヒメは激情を起こすが、リョウガと話しているうちに、この青年はひどく素直で、抜けたところもあり、けっきょく、とても人殺しが成功しそうにないと判断する。むろん、ヒメは自分の好きなアーティストを殺すというリョウガに対しては腹が立ってはいた。それでも相手は命の恩人であり、無碍にはできず、かかわっているうちに、あまりに無策なリョウガのやり方に見かねて、彼の目的達成のための助言めいたことをするようになる。そして、非日常な会話をする中で、ヒメはしだいに自身が心に抱えた問題をリョウガへ話すようになり、何度もやりとりするうちに、いつしか彼女は心の風通しを得て、生気を取り戻し、もとの高校生の生活へ戻ってゆくようになる。だが、リョウガの方は『みえない怪獣』を追いかけるうちに、心が奇妙な消耗し、だんだんと感情の制御を失ってゆく。リョウガが『みえない怪獣』そして、首謀者であるショウを追いかけ、殺す理由は、作品のコンセプトが、亡くなったかつての恋人の発表したのものであり、それは、ふたりの思い出の作品だった。リョウガはショウという男が明示的にそれを盗んだことを知っていた。その事実を知っているのは、世界でリョウガだけだった。『みえない怪獣』は完全に彼女の残した想いとは、別の消費のされ方をしていた。それが見逃せなかった。やがてショウは最後の『怪獣ショウ』を行うため『みえない怪獣』を最後の場所へ出現させる。リョウガはショウが放つ『みえない怪獣』という作品を完成を阻止するため、その現場へ向かう。そして、ヒメはリョウガが『みえない怪獣』との最後の戦いを目撃し、瓦礫の山になった世界でリョウガと再会する。
みえない怪獣 サカモト @gen-kaku
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