掛け軸に描かれた菩薩様が病を癒してくれる村、
しかし何人か失踪した者の噂も……。
視力を取り戻すために訪れた剣を身に付けている少女と従者らしき青年は掛け軸の持ち主に会いに行くのだが──。
清々しいほどの会話突破力を持った主人公の依代様が魅力的です。
正論パンチを決めたお説教は、威力絶大でした。
おっとりした方と思っていたら、手加減ゼロ。
肝が冷えます。
しかも一度きりではなく、更に炸裂して別の相手をボッコボコにしておりました。
でも、なんだかんだちゃんと面倒を見てあげるという──
人に対して独特の距離感を発揮してくれる主人公、目が離せませんよ!
村を襲うおぞましい奇病に、人々はあらゆるものに救いを求めておりました。その奇病を治癒するという菩薩を描いた『奇跡の掛け軸』にたどり着いた人々は、「ささやかな条件」を承諾し、有難くも救済されますが、『奇跡の掛け軸』に描かれた菩薩は、いつしか鬼へと変貌を遂げます。
菩薩はどこへ消え、鬼はどこからやってきたのか——依代という名の盲目の少女が、見えない目で本質を射抜きます。
それはそうと、盲目の彼女は、視力はなくとも不自由はないようです。
それでも光を取り戻さんと願うのは、彼女の持つ強さでもある反面、一種の弱さでもあるように思え、いとおしさを覚えます。
何度と気持ちを踏みにじられて、何度と絶望しようとも、それでも人間は素晴らしいと信じていたいのは、果たして菩薩の方か鬼の方か。
さて、こちらをご覧の皆様は、誰かや何かの優しさや善意、親切、ひいては安全・便利の上に胡坐をかいて、まさか感謝の気持ちを忘れた方などはおられますまいね。ぎくりとされた貴方、そろそろ「鬼」に食われますよ?
ある村で突然流行り出した奇病。
手足に痣ができ、痣ができた者は激痛とともに手足が腐り落ちるという。
だが、その奇病は、病を治してくれる《奇跡の掛け軸》でおさまった……はずだった。
《奇跡の掛け軸》を求めて村へやってきたのは、刀を佩いた盲目の少女・依代と、彼女の従者である祥之助。
だが、掛け軸の持主である誠二郎は、すでに掛け軸はないと言い――。
依代様と祥之助さんのやりとりがとても軽妙で大好きです!(≧▽≦)
笑顔でぐいぐい押していく依代様の言動は小気味よくもあり、そんなに言っちゃって大丈夫!? と心配にもなり……。
祥之助さんの苦労がしのばれます(苦笑)
《奇跡の掛け軸》とは、何なのか? なぜ奇病が村を襲ったのか。
依代様と一緒に謎を追ううちに、きっと物語の魅力から抜け出せなくなると思います!(≧▽≦)
興味のある方はぜひ覗いてみてくださいませ~!(*´▽`*)