3日目② させてみて、褒めてはやらない。弟子は人ではないから

 さて、ここで幽霊との戦いのポイント(一般常識)をおさらいしよう。攻撃面のは前に説明したので、今回は防御面の話。

 下位の幽霊だと遠距離攻撃とか派なく体当たりオンリーといってもよい。しかも遅いので、一対一なら基本的には当たらない。しかし、当たったらけっこうヤバ目で物理的な影響を一切及ぼさず、メンタルにだけダメージを入る。

 このダメージには2種類あって、1つはMPダメージ。体当たりに当たると魔法を使ったかのような精神的な疲労がみられ、ダメージが嵩むと眠くなる。そしてダメージを受けすぎると永眠する。魔法を使い過ぎても同じ症状がみられるので、おそらく同じものだろう。

 もう一つのメンタル的なダメージは、受けると鬱を発症する場合がある。

 なので通常は魔法防御力のある防具の装着か、遠距離からの撃破が推奨される。簡単に避けられるからといって、間違っても動きやすい服装(ジャージと運動靴)に鉄パイプという武器で挑む相手ではない。

 というか、

「なんなんですかこの武器は!?」

 何時の時代のヤンキーだよ!?

「鉄パイプ。そこそこの強度と魔法を通しにくい武器だ。この時点で木刀とか竹刀が候補から外れる」

 しかもちゃんとした理由があったよ!

「鉛の棒をオーダーメイドで発注するのもなんだからなぁ。管理の問題もあるし、後の修行で何千何万も壊れる予定だから、既製品で取り寄せ易い鉄パイプになった。どっちの修行も剣である必要はないし」

 思った以上にちゃんとした理由だった!あと何処の地獄に叩き落とす予定ですか!?

「冒険者用の剣より軽いのも理由だ。未来ならともかく、今の筋力で何度も振るならこっちの方がいい」

 考えに考え抜かれた最適な武器だったの!?

「他に疑問はないな。とりあえずそれで幽霊を叩いてみろ」

 言われるがままに幽霊わ叩く。当たり前のように幽霊を通り抜ける。

「この時、極僅かに魔石の中心へと魔力が流れてて、鉄パイプが僅かに魔石の方へ動く」

「わからない!」

「わかるまで何億何兆と繰り返せ」

「単位おかしくない!?」

「わかるまで何京何垓でも繰り返せ」

「増えてる!?」

「回数増やされたくなければとっとと始めろ」





   10分後


 う、腕がー。力がもう入ら

  ビチャ

 なんか液体をかけられた。

「ポーションかけたから腕力回復したろ。続けろ」

「休憩時間とかは……」

「回復アイテムで短縮だ」

 ちくしょーー!

 僕は剣を振り続ける。


  4時間後


「よーし。昼飯の時間だ。おにぎりだと食べながらでもできるよな」

「行儀悪いんですが」

「サンドイッチの方が良かったか?」

「そういう問題じゃない!」


 更に4時間後


 精魂尽きて倒れた。いや、体力にしろMP的なものにしろ、途中でポーションかけられて回復してるはずだから、きっとそれ以外のものがゴリゴリ削れてるんだと思う。

 けど、今日は死ななかった。だから明日は頑張れそうです。

「今日はこんなもんか。当面の間、午前走って午後この修行だな」

「いっそのこと殺せ」



本日のリザルト

  膂力が上がった

  器用さが上がった

  感覚が上がった

  スタミナが上がった

  根性が上がった

  メンタルが下がった


 


        本日の死亡カウンター   0

        通算死亡カウンター   46

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「師匠!これは修行でなく処刑です!」僕がSランクダンジョン配信者に成れたわけ 筋肉カレー @mokamoka-heya

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