28 病弱(遥&健)
僕は未熟児で産まれた。内蔵にも疾患があり、何度も手術を重ねた。両親は僕に付きっきりだった。五歳年上の兄はさぞ寂しかっただろう。けれど、兄は僕に優しかった。両親を奪った僕を恨むことなく、むしろ愛情を注いでくれた。
「はぁ……あんっ……」
兄が僕の身体を舐める。滅多に外に出ることのできない僕は、浅黒い肌の兄と違って真っ白だ。兄が鎖骨に吸い付く。きっと赤い痕がついたことだろう。
僕は人並みの恋などできないだろうから。だから兄さんが慰めてやる。そう言われて始まった。僕も兄が好きだったから、嬉しかった。
「ふぁっ……」
兄の舌が胸の手術痕までおりてきた。そこをなぞられるのはいい。僕の戦った証を褒められているかのようだった。
「
「はい……」
僕のものはとっくに大きくなっていた。既に液体が下着に染み込んでいた。
「どうしてほしいか言いなさい」
「口で……してください……」
「それから?」
「指を……突っ込んでください……」
温かい兄の口内が迎え入れてくれた。僕はたまらず腰を浮かせた。兄の指がするりと入ってきて、絶え間ない快楽の波が襲った。
じゅぷり、じゅぷり、じゅぷり。
「健はいやらしいね。こんなに音をたてて……」
「兄さん……兄さんっ……」
奥の方までかき回されて、脳がとろけそうだった。兄の口の動きも激しくなり、僕は絶頂を迎えそうだった。
しかし、兄は口と指を離した。
「兄さん……?」
「今日はこのくらいにしておこうか。また熱を出すといけない」
「やだっ……やだよぉ……」
「本当はどうしたい?」
「兄さんの口の中に……ぶちまけたい……です……」
兄は僕の髪を撫でた。そして言った。
「じゃあ、声、抑えられるか? あまり叫ぶと心臓に悪い。健は声が大きいからな。できるなら、してあげる」
「するっ……我慢、しますっ……」
僕はクッションを噛んだ。兄はまた、僕をくわえて刺激し始めた。
「んーっ……んんっ……」
兄は指で手術痕をなぞった。それから、乳首をつまんできた。兄によってほぐされた身体はどこを触られても敏感に反応してしまう。兄の舌が先端をぐりぐりと押してきて、僕はクッションから口を離してしまった。
「ああっ!」
「我慢、できなかったね」
「あっ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
「いいよ。最後までしてあげるから」
兄は唇を先の方にあてて、手でしごいてきた。僕は今度こそ声を出さなかった。息を止めながら、兄の中にどくどくと注ぎ込んだ。
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