21 媚薬(早月&直樹)

 夕飯のカレーは直樹なおきが作ってくれた。具材は程よい大きさに切られ、辛みもコクもしっかりとあり、いつの間に料理が上手くなったんだと僕は驚いた。

 直樹が洗い物をしている間、僕はソファに座ってスマホゲームを始めた。しかし、どうにも集中できない。身体の奥が熱く、何かがせりあがってくるかのようだ。カレーを食べただけなのに、一体どうして。

 とうとう、僕はスマホを手放し、ソファに横になってしまった。


「兄貴、効いてきた?」


 直樹がしゃがみこんで僕の顔を覗いてきた。そして、僕のメガネを外した。


「ふふっ、顔赤いね。半信半疑だったけど……効果あるんだぁ……」

「直樹っ……何したの……」

「兄貴のにだけね、混ぜたの。俺は冷静でいたかったからさ。ほら、苦しいでしょう? 楽にさせてあげる」


 直樹は僕のベルトを外しだした。身体に力が入らなくて、抵抗できなかった。とうとう下着をおろされてしまった。僕は僕自身の身体に驚いた。


「あはっ、すっかり大きくなってるね。えいっ」

「ああっ!」


 少しつつかれただけなのに、僕は大声をあげてしまった。全身がガクガクと震え、鼓動が早くなった。


「すっごい敏感。こすったらどうなるのかな?」

「やめて……直樹、やめてくれよ……」

「でも、このままの方が辛いでしょ? 優しくしてあげるから」


 直樹が片手でしごき始めた。


「やだっ! やだぁっ!」

「うるさいなぁ。口、塞いどくか……」


 タオルを噛まされ、頭の後ろできつく縛られた。ただでさえ浅かった呼吸がさらにしんどくなり、僕は必死になって鼻から空気を吸った。


「すぐ出ちゃうかもね。汚れたら面倒だし……」


 直樹の舌先が触れた。それだけで電気を流されたような衝撃が襲った。


「んー! んーっ!」


 僕は直樹の髪を掴んだ。しかし、彼は奥の方までくわえこんだ。僕は一気に達してしまった。


「ちゃんと飲み込んだよ。掃除するの面倒だもんね。ほら……キスしようか」


 直樹はタオルを外した。生臭い味のする最悪なキスだった。歯茎をなぞられ、僕はびくりと腰を浮かせた。


「一回じゃ足りないっぽいね。大丈夫。兄貴が満足できるまで俺頑張るから」

「ひっ……お願い……もう……」

「気持ちよくさせてあげるって言ってるのに。素直になりなよ。兄貴は弟に責められていっちゃうような変態なんだよ」

「許して、許してよぉ……」


 涙が出てきた。僕はこのままどうなってしまうのだろう。直樹には屈しないと決めたはずなのに。


「怯えている兄貴が一番可愛い……」


 直樹は僕の涙を舐めた。それすら耐え難い刺激になり、僕は絶叫をあげた。

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