成瀬浩介というプレイヤー・セット


 成瀬は両手を見つめ、それから道のさきに視線を転じた。

 やおら、空からなにかの咆哮が聞こえた気がするが、関係ない。


 一瞬だけ見上げた、赤い月。

 獲物は、そこにはいない。

 ……ああ、いるじゃないか。あそこに、女が。


 そうだ、、女が。

 うれしいか、化け物……!


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