断章2
……さて。
またまた挟む機会となりました、この断章。一応、自分の中で基準としまして、人生の大きな分岐点や、ざっくりとした纏めと言う思いで書いています。特に今回は結構ハードな構成となっており、時代背景とその時勢を考えれば、やむなしかとも思っています。少年期を終え、青年となった私が、色々な人との出会いと別れを経験し、少しずつでは有りますが、「生き方」を学んでいく過程の大きなファクターになった部分です。
17話で社会人となり、様々な経験を積み始めた私が最も心の奥底に根付いてしまったモノが19話の『阪神淡路大震災』です。本来ならば筆舌に尽くし難い程、生々しく、もっともっと陰惨な現場を目の当たりにしました。「火事場泥棒」を捕獲したり「集団人攫い」に出くわした事もあります。信じてほしいとは一ミリも思いませんが、これらは全て実体験で現実に在った事です。東日本大震災では、避難地域が出来てしまい、空き巣が横行しているとニュースなどで見られた方も居るでしょう。所謂「二次災害」とは、自然災害だけでなく、そう言った「人的犯罪」も含まれているのです。
ただ、こう言った本当の意味での負のお話は全てボツにしています。
……勿論ですが、私の備忘録のトリガーにそんなモノは不要だからです。それでもやはり、あれ以上は削れませんでした。最も大切である『繋がり』と『思いやり』だけは知ってほしかったから。
そして20話から始まる、私の『恥部』到底若気の至りだけで済まされるお話ではないですね……。ですがこれを晒したのは、ある意味で贖罪であり、私自身への戒告です。このWEBサイトに何時までこのお話を残すかは分かりませんが、原文はバックアップも含めて全て、私の記憶装置に有るわけで。いつでも読むのは可能なのです。
そして23話冒頭に書いたこの文言、覚えていらっしゃるだろうか。
――常識と、一般論がこんなにも冷たいのだとは知りたくなかった。
そう言えばと思い出す方もおられるでしょう。知っているがそんな内容全然無かったような、と思う方もおられるでしょう。えぇ、そうです。敢えて解りやすくは書きませんでしたが、実はあのお話中、かなり暈してはおりますが、しっかり一般常識が時に無常で、酷く冷たいものだと書いています。それを今回は少しお話しようかと思います。
まずヒントとしてはその前話に当たる22話の先輩と後輩にあります。
――普通、そんな事はしないし、考えないぞ。
この文言です。
先述の通り、先輩は俗に言う「一般中流家庭で両親の揃った環境で育ち、大学を普通に卒業」した方です。兄妹もいたらしいですが、実際お会いした事は無いので、よく分かりません。そんな方ですから、一般常識は両親からは勿論、その周りにいた環境からも当然の如く、身に着けて行ったのだろうと察せられます。それ故なのか、それともそこが彼の性格だったのかは、分かりませんが、彼はよくこんな諺を私に言い聞かせていました。
「君子危うきに近寄らず」
……もちろんその時にきちんと意味やその後の行動指針についても教えてくれました。
――が。
私はこれがどうしても実践できませんでした。……何しろ当時の私の友人といえば、危ないことを「おもしろい」というやつが多かったですし、くっそディープで超絶ニッチな話を延々と垂れ流せる人間が、それこそ呼び出せば何時でも駆けつけてくれる状態だったのです。
それこそ先輩の言う『危うき』なのだと容易に理解できました。勿論、人物限定という訳では有りませんから、出来事や所謂厄介事も含まれるでしょう。
……ですが、それこそ。
――そう言った人物達が引き寄せるのも常でして。
しょっちゅう、そう言った連中の揉め事や、話し合いに呼ばれることも多々。時には金銭の貸し借りも行いましたし、仲介という名の『どつき合い』にも参加しました。……でも、それで後悔したことなど一度も有りませんし、金銭など元々譲渡する気で渡しているので、よっぽどの大金でない限り、そこまで気にしませんでした。飯が食いたいと言えば奢り奢られが当然だったし、当時独り者だった私に、それは負担となりませんでしたから。そうしてその事を話した時に彼から言われたのが、あの文言なのです。
そして、もっともありえないと感じたのが「これからは危ない連中や、金のない人間とは付き合うな。じゃないと、お前自身もソイツらと同格に見られるぞ」……と。
そうして感じたのが23話での文言です。
あぁ、この人は人をそう言う括りで見るんだと。そしてそれが当たり前だと公言するなら、一般的には「人は選別」が当然なんだと思えてしまったのです。
だから、23話のラストの締めがあれなのです。
……もう察しの良い諸兄ならお気づきでしょう。人の親となった私が、次話以降、どのような取捨選択で生きていこうと考えるのか。勿論ここでそれを書くことはしません。ここは断章であり、私の独壇場。
さぁ、振り返りと纏めも終わりました。
時代も平成中期へと突入し、そろそろ皆様の記憶に残る出来事が出るかも知れません。
ただ、書くのは私で、これは私の備忘録。多分……碌なものではないです!
長々と書きましたが、次話から「親」として生きる私のお話の始まりです。
お暇な時にでも覗いてみてはいかがでしょう。
面白い保証は皆無ですが……。
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